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Author 黒﨑 東洋郎| 杉能 道明| 宮崎 唯|
Abstract 「数学的に考える力」は、課題解決学習を通して育成される。ところが、課題解決学習は、「How to solve It」にみられるように課題発見よりも課題解決に重点が置かれ、課題発見には学びの重みが置かれていない。変革の時代は、予測しにくい複雑で高度な事象が生まれ、何が解決すべき本当の課題なのかを自己決定する力が求められる。解決する前に、何が本当の課題かを発見する方が重要なのである。世界中で、変化に対応する算数・数学の課題はCUN課題が相応しいと叫ばれているが、遅遅として進んでいない。算数・数学科では、課題設定の方略として2つのモデルが示されている(中央教育審議会答申、2017)。1つは「生活事象を数学化する方略」であり、もう1つは「数学事象を統合的・発展的に捉えて新たな課題を設定する方略」である。どの教科よりも指導の系統を重視して算数の学びをサイクリックに積み上げていく算数科にあっては,前者から後者ヘ主導的に移行すべきである。残念ながらこの視座からの進展は見当たらない現状にある。そこで、本研究では、算数の事象を統合の観点から発展的に試行錯誤して数学化するプロセスの中で新たな課題を発見する方略を検討する。
Keywords 事象の数学化 統合的・発展的考察 算数の課題
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
Start Page 38
End Page 46
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 磯野 嵩|
Abstract 学習指導要領(2017)が改定されて割合の学習は一層重視されているが,難単元である「割合」は知識・技能偏重になってしまうという実状がある。そのため,資質・能力を目的として割合の授業を再構築していくことが喫緊の課題である。
本稿では,第5学年の割合を活用する問題を,基準量×(1-0.1)と新しい割合を見いだして数学的に探究することを目的としたものである。基準量×(1-0.1)の考えを創造的に思考するためには,線分図によって割引の意味を捉えるだけでなく,求め方の着想を話し合う中で×(1-0.1)という創造的な思考を追跡して着想が明確になっていった。また,見いだした考えに対して,割引10%に消費税10%の条件を加えて判断させることで,不調和を契機に割合の増減に対して順序や数量を変えたりして児童が探究的に学ぼうとする姿が見られた。そのため,児童が見いだした考えに対して不調和を起こすことで探究的に学習するといった示唆が得られた。
Keywords 割合 創造的思考力 探究的な学び
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
Start Page 14
End Page 20
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
Start Page 49
End Page 50
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
Start Page 47
End Page 48
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 山﨑 湧太|
Abstract 本研究の目的は,小学校算数科における創造的数学力を育成する授業づくりを第6学年の比の授業実践に焦点を当てて追究することである。一般的な比の指導における解明すべき実践的な探究課題は,決まりきった一方向の数学的な見方・考え方で間題解決に終始している点である。本事例研究では,比の利用の問題について,児童自らが創造的に多面的な見方・考え方を積極的に働きかけて問題に取り組むアプローチを重視することにより,本当の割合の考えを活かした創造的な数学力を育成する算数の在り方を,授業実践を通して探究する。
Keywords 多角的な見方 考え方 アプローチ 比の利用 割合の考え
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
Start Page 8
End Page 13
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 杉能 道明|
Abstract 「数学のよさ」は小学校学習指導要領(平成29年告示)で初めて算数科の目標の中に登場した言葉である。それまで使われてきた「算数のよさ」という言葉が単に「数学のよさ」という言葉に置き換えられただけではないと捉えたい。コンピテンシー・ベースの教育課程改訂のタイミングでの導入にはねらいがあり,算数・数学教育を一貫して数理を探究する創造的な資質・能力育成のためと考える。この資質・能力育成のためには「数学のよさ」を実感することが不可欠である。本論文では,「数学のよさ」とは何かを多角的に分析・考察し,子どもが「数学のよさ」を実感するための方策を探究した。「数学のよさ」の中核は,統合的・発展的に考える「よさ」であり,単元構想の工夫や数学的活動のエ夫,学習展開のエ夫によって子どもが「数学のよさ」を実感することができると考える。
Keywords 数学のよさ 資質・能力 統合的・発展的に考える
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
Start Page 30
End Page 37
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
Start Page 51
End Page 51
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 服部 裕一郎|
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 山野 定寿|
Abstract 「速さの保存性」の基礎的理解ができていない状況が、筆者が調査した岡山県北部の児童79人にも見られた。走る時間や道のり、その他の状況(例えば坂道)で、速さAkm/hは様々に変わると捉えているのである。この問題を解決するために、これまで前提と考えられてきた平均による均一化をもっと児童に意識させ、学習している速さが平均速度であり、そのため走っている時間の間は、どこも速さはAkm/hであることを理解させることが重要である、と筆者は考えた。そこで、筆者は平均による均一化をもっと重視した授業改善のためのポイントを4点提案することにした。
Keywords 速さの保存性 平均の考え アンケート調査
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
Start Page 21
End Page 29
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 林田 崚| 岡崎 正和|
Abstract 本研究は,微分の定義の極限概念の理解における困難性を踏まえ,微分の定義の学習段階において深い学びが生じる授業を構成することを目指すものである.それに伴い,本稿では,協定的構成主義の知識観を採用し,その知識観に関連した理論であるAPOS理論と教授学的状況理論を相補的に援用することを試みた.理論検討においては二者の特性を考察し,題材の考察と分析にはAPOS理論を,実際の授業の形や工夫などを考察する際には教授学的状況理論をそれぞれ用いて考察した.考察の結果として,微分の定義の極限概念の理解が生徒の中から生じるような授業計画を作成した.具体的には,微分の定義の極限概念についての理解を生じさせ深めていくことを目指し,そのためにはまず瞬間の速度を捉える上で,既有の知識を用いて具体的に働きかけることのできる行為の状況を設定し,そこから得られるアイデアを平均変化率の考えを元にグラフの中で表現し,洗練させる様相,またそのアイデアをコミュニケーションし言語化することで微分の考えに近づけていく様相を授業の構想へ含めることが重要であるという示唆を得た.
Keywords 深い学び 協定的構成主義 教授学的状況理論 APOS理論
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2023-03-31
Volume volume29
Start Page 1
End Page 7
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 山崎 湧太|
Abstract 本研究の目的は,小学校算数科における見積もりの活用の在り方を,第4学年の2桁で割る割り算の筆算の指導での授業づくりを追究することにある。一般的な2桁で割る割り算の筆算の指導における解明すべき実践的な探究課題は,単に形式的に「手隠し法」と呼ばれている手法を用いて,位に答えが立つかどうかをアルゴリズムに沿って指導しても,本質的な筆算指導の本質的な理解につながっていないことである。そこで, 2桁で割る割り算の筆算指導では,確かな計算技能と同時に,商の見当付け(見積もり)をする中で豊かな数の感覚を発達させるアプローチを,授業実践を通して探究する。
Keywords 2桁で割る割り算 数感覚 見積もり
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2022-03-22
Volume volume28
Start Page 1
End Page 7
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2022-03-22
Volume volume28
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 杉能 道明|
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2022-03-22
Volume volume28
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 磯野 嵩|
Abstract 本研究の目的は,算数科の本質に根差した深い学びを目指してどのように授業づくりをおこなえば良いのかを明らかにすることである。なぜなら,現行の学習指導要領では「主体的・対話的な深い学び」の視点から授業改善が行われているものの,深い学びに至らないという課題があるためである。また,低学年の算数の授業は日常生活や社会の事象を数学化する学習過程がイメージされがちで,低学年における深い学びの授業事例は少ない。本研究では,第2学年「かけ算の九九づくり」の学習を通して, 5の段の学びを足場にして他の段に拡張し探究的な学びを行うことで,かけ算の性質を数学的事象とした本質に根差した深い学びの姿があるかどうか質的に研究した。その結果, 2の段の性質の発見・活用をするときに,かけ算の性質を統合的・発展的に考察する子どもの姿が見られた。そのため,このような学びによって低学年からも数学的事象を対象とした深い学びをおこなうことができると示唆が得られた。
Keywords 深い学びの過程 かけ算の性質の発見と活用
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2022-03-22
Volume volume28
Start Page 8
End Page 13
ISSN 1341-3155
language Japanese
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FullText URL papyrus_028_57_58.pdf
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2022-03-22
Volume volume28
ISSN 1341-3155
language Japanese
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FullText URL papyrus_028_61_61.pdf
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2022-03-22
Volume volume28
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 平井 安久|
Abstract 課題学習の事例として知られる「玉は何回はね返るか」の話題を1時間の授業内容として授業実践した。結果の意外性を強調する目標を保持するために,課題内容に含まれる要素の取捨選択および解決のカギとなる「対角線が通過するブロックの個数」の話題の扱い方について一つのパターンを示すことができた。
Keywords 玉のはね返り 鏡映 課題学習 対角線が通過するブロック
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2022-03-22
Volume volume28
Start Page 39
End Page 45
ISSN 1341-3155
language Japanese
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Author 黒崎 東洋郎| 杉能 道明| 宮崎 唯|
Abstract 変動の激しい時代を見据えて算数科では「数学的な見方・考え方を働かせ、数学的活動を通して、数学的に考える」という方向性が示されている。その実現に向け「事象を数理的に捉え、数学の問題を見いだし、自立的、協働的に解決し、解決過程を振り返る」という問題発見・解決の過程が提言されている。変革の時代では、変化し続ける事象で何が問題かを見つける力が重要であり、算数の授業においても、問題発見力を育むことが不可欠である。ところが問題発見は軽視されがちで、問題設定は、教師主導で教科書通りの日常事象を数理化する問題設定が大半で、子どもが「算数の事象を統合的•発展的に捉えて問題発見する」という授業研究は進んでいない。算数は指導の系統性を重視する教科である。ゼロベースではなく、既習事項を基礎にして算数の事象を統合の観点から発展的に関わり、子ども自らが「問題発見・設定する授業」を探究することが喫緊の課題である。
Keywords 統合的・発展的 問題設定 足場作り what if not方略
Publication Title 岡山大学算数・数学教育学会誌 : パピルス
Published Date 2022-03-22
Volume volume28
Start Page 29
End Page 38
ISSN 1341-3155
language Japanese
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