•  電子ジャーナルやデータベース、オンライン文献管理ソフト、そしてソーシャルメディアの普及により、Web上の研究活動もますます拡大しつつあります。
     altmetricsはこれらソーシャルメディア等における研究成果への反応をリアルタイムで収集し、そのインパクトを定量的に表示する新しい研究評価指標です。
     その有効性については今後も検討が進むことになりますが、これまでの研究評価指標を補完する機能を期待して、多くの出版社や検索サービスがaltmetricsの利用を始めつつあります。

    altmetricsを利用する出版社等の例 PLOSNatureWileyRSC
    altmetricsの情報ソースの例  ソーシャルメディア : Twitter、Facebook、ブログ等
     ソーシャルブックマークサービス : Mendeley、CiteULike等
     ニュースメディア : ガーディアン、ニューヨークタイムズ等
     

    altmetricsの特徴は、①論文レベル、②即時性、③社会性、④補完性があげられます。
    ① 論文レベルインパクトファクターのような雑誌レベルではなく、個々の論文ごとに指標を表示します。
    ② 即時性ソーシャルメディア等の反応をAPIを活用してほぼリアルタイムで追跡しています。 従来の評価指標よりも迅速に収集、表示することが可能です。
    ③ 社会性ソーシャルメディアの利用を追跡することで、学術的な反応だけでなく、社会的な反応を知ることが可能です。
    ④ 補完性altmetricsは多様な指標であり、引用数のような従来の研究指標を、収集範囲、収集スピードの面で補完することを期待されています。



(altmetrics manifesutoより http://altmetrics.org/manifesto/)

なぜaltmetricsが普及しつつあるのか

  •  本来は雑誌の影響度を測る指標として考案されたインパクトファクターが、その目的からはずれて論文個々の評価に拡大して利用されているという問題があります。
     例えば、2012年には細胞生物学分野の研究者が中心になりThe San Francisco Declaration on Research Assessment (DORA)を起草し、研究評価におけるこれまでの雑誌レベルの評価指標ではなく、論文レベルの評価指標の必要性を勧告しています。この動きは細胞生物学分野から、社会科学分野、数学分野、化学分野へ広がり、2013年9月30日現在で、9,305の個人と、381の団体がDORAの提言に賛同し署名をしています。
     また、近年の学術論文の急増に伴い、引用についてはそれが発生するまでのタイムラグのため、論文のフィルタリングに対応できていないという問題も指摘されています。
     これらの問題を補完的にに解決するものとしてaltmetricsの活用が期待されています。


岡山大学学術成果リポジトリにおける導入について

  •  岡山大学学術成果リポジトリ(OUSAR)では、Altmetric.comを利用して、altmetricsを表示しています。
    altmetricsを表示するにはDOI、PubMedID等の永続的なIDが不可欠です。現在はOUSARのコンテンツの内、PubMedIDが付与されているActa Medica Okayama、DOIを付与されている岡山医学会雑誌、その他学術雑誌論文にAltmetricsが表示されています。 
     将来的にはOUSARに登録している多くのコンテンツでaltmetircsを表示できるようにする予定です。
     ぜひ、OUSARに研究成果を登録し、その管理にご活用ください。


参考ページ
  • 【お問い合わせ先】
    岡山大学附属図書館 情報管理課 情報整備グループ
     〒700-8530 岡山市北区津島中3-1-1  TEL:086-251-7315 FAX:086-251-7314
     E-mail:libcat◎adm.okayama-u.ac.jp(◎は@に置き換えてください)