JaLCDOI 10.18926/bgeou/16098
タイトル(別表記) Essai sur la Rèforme de la Formation des Instituteurs en la Troisième Rèpublique (7)
フルテキストURL 141_107_114.pdf
著者 尾上 雅信|
抄録 本稿では,1879年の師範学校設置法成立後,師範学校における「教育学的教育」の内実がどのように充実・展開していったか,1881年の政令・省令・指示を時系列に即して整理・概観することで,その方向性をあきらかにした。設置法成立直後に制定された師範学校教育課程に関する省令や指示において実施が企図された「教育学」の具体的な内容と方法としては,師範学校本校における「演習」―「口頭による教授」すなわち「教授」の訓練―と,附属学校の実習による授業と学級指導の訓練であった。これに,初等教育の「正教員」として不可欠な教養とされた「学校管理」―学校と教師にかかわる法制的知識に関する教授―が加わり,全体として「教育学」教育とされたのである。師範学校設置法(案)審議過程において教育改革立案・推進主体が主張した師範学校における「教育学的教育」の内実が,このような内容と方法をもって法制的に整備されていったと言うことができるのである。
キーワード 第三共和政 師範学校 教育学 附属学校 実習 学校管理
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2009-06-25
141巻
開始ページ 107
終了ページ 114
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002306777
JaLCDOI 10.18926/bgeou/16099
タイトル(別表記) Work-related stress and eating behavior associated with multiple lifestyle-related diseases among male workers
フルテキストURL 141_115_126.pdf
著者 安藤 美華代| 朝倉 隆司| Gabriele Giorgi|
抄録 The objective of this study was to identify work-related stress and lifestyle associated with multiple lifestyle-related diseases. Male workers aged 19-66 years (N=490) completed a self-reported questionnaire. Relationships between demographic variables, work-related stress variables, lifestyle variables and multiple lifestyle related diseases were investigated using regression analyses and path analyses. A best fit path model on multiple lifestyle-related diseases was constructed using eating behaviors as mediators. Age, education, binge eating and overeating were significantly associated with multiple lifestyle-related diseases in the direct paths. Depression and inflexible workplace climate were significantly associated with multiple lifestyle-related diseases in the indirect paths through the variables, binge eating and overeating. These findings suggest that workers' mental health and workplace climate, as well as unhealthy eating behaviors, may be important factors in preventing lifestyle-related diseases in male workers.
キーワード 生活習慣病 抑うつ状態 職場ストレス 食行動 パス解析
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2009-06-25
141巻
開始ページ 115
終了ページ 126
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002306335
JaLCDOI 10.18926/bgeou/16101
タイトル(別表記) The Effects of Trait Anxiety on Attentional Disengagement from the Threaten Word
フルテキストURL 141_127_133.pdf
著者 上田 紋佳| 寺澤 孝文|
抄録 不安障害における自動的処理を検討する研究において,注意バイアスが不安を維持し,また,不安障害を進行させることが指摘されている。近年の研究では,高不安者は脅威刺激から注意を解放することに問題があることが明らかにされている。そこで,本研究では情動空間的手がかりパラダイム(Fox, Russo, Bowels, & Dutton,2001)を用いて,脅威語からの注意の解放に特性不安の高低が及ぼす影響について検討した。課題では,画面中央に手がかり刺激(ネガティブ語,ポジティブ語,ニュートラル語)が提示された後,刺激の周辺に提示されるターゲット刺激を判断することが要求された。その結果,高不安者は低不安者よりも反応時間が全体的に長かった。
キーワード 特性不安 注意バイアス 注意の解放 情動空間的手がかりパラダイム
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2009-06-25
141巻
開始ページ 127
終了ページ 133
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002306567
JaLCDOI 10.18926/bgeou/16102
タイトル(別表記) Theoretical Study of Teacher's Social Influence on Their pupils I : Consideration by Scope of Influence Process and Social Power Perspective
フルテキストURL 141_135_142.pdf
著者 鎌田 雅史| 淵上 克義|
抄録 本稿は,日常の学校業務において教師が児童・生徒に対して持つ影響力に焦点をあて,教師による影響が児童・生徒によって受け入れられていく際の影響プロセスに関する社会心理学的な理論モデルを概観し,教育実践研究において影響プロセスに注目する意義を考察する。さらに教師の影響力の大きさや内容を決定する重要な要因である社会的勢力資源に関する先行研究を概観する。日常の交流のなかで,教師は各影響場面における目的,状況にそった働 きかけを児童・生徒に対し行っていく必要がある。本稿は,社会的勢力に関する研究の視点から,各勢力資源の使用のメリット,デメリットについて検討する。最後に教育場面における社会的勢力研究の方法,将来的に期待できる社会的勢力に関する発展研究についても考察する。
キーワード 社会的勢力 影響プロセス コミットメント 生徒指導 学習意欲
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2009-06-25
141巻
開始ページ 135
終了ページ 142
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002306796
JaLCDOI 10.18926/bgeou/16104
タイトル(別表記) A Critical Evaluation of Kohut's Theory of Narcissistic Personality Disiorder
フルテキストURL 141_143_152.pdf
著者 上地 雄一郎|
抄録 自己愛性パーソナリティ障害に関するKohutの見解を,彼と対立した Kernbergの見解,DSM-Ⅳの診断基準,自己愛性パーソナリティ障害の二類型論などと関連させて論じた。その結果,Kohutの言う自己愛性パーソナリティ障害を「自己愛の障害のある患者」と呼び換え,DSM-Ⅳによって診断されるそれとは区別したほうがよいという丸田(1995)の見解が妥当であることを主張した。自己愛性パーソナリティ障害に関するKohutの見解の問題点として,まず,Kohutが誇大自己と呼んだ自己発揚的傾向と,防衛的誇大性とは区別すべきであることを指摘した。次に,自己愛性パーソナリティには理想自己と現実自己の乖離がみられるというBroucek (1982,1991)や岡野(1998)の見解と,自己愛性パーソナリティは高い理想を持つ人ではないというKohut(1971)の見解のずれについて,これは理想についての両者の理解のずれから生じているのではないかということを示唆した。
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2009-06-25
141巻
開始ページ 143
終了ページ 152
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002306254
著者 岡山大学大学院教育学研究科|
発行日 2010-02-25
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
143巻
資料タイプ その他
JaLCDOI 10.18926/bgeou/19985
タイトル(別表記) Science Education in Lower Secondary Level in the Swiss German Zone, Canton of Bern
フルテキストURL 143_001_011.pdf
著者 田中 賢二|
抄録 スイス―ドイツ語圏ベルン邦―の前期中等教育段階における科学教育の現状を,いわば学校教育法,同施行規則,学習指導要領などから,初等教育段階との対比に注目し,明らかにした。科学教育はともに筆頭教科である自然―人間―共同社会の中の科目理科で行われている。初等教育段階とは違って,前期中等教育段階では教科内に総合をも設定し,テーマと科目や総合との対応,また,科目毎の授業時間数,総合と裁量の為に使われるべき授業時間の割合を示している。前期中等教育段階の科学教育における目標は,初等科学教育と比べると,認識と知識の習得が重要になってきており,広がりと深化を示している。内容の関連性への配慮要請,拘束性は,前期中等教育段階の科学教育の方が大きく,弱い。また,内容の連続性は,両段階で共通の唯一のテーマでさえ,考慮されているとはいい難く,教員に託されていることは大きいといえる。
キーワード スイス連邦 ドイツ語圏 ベルン邦 前期中等教育段階 科学教育
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-02-25
143巻
開始ページ 1
終了ページ 11
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 40017044238
JaLCDOI 10.18926/bgeou/19986
タイトル(別表記) Integration of issues and solutions in designing a chair
フルテキストURL 143_013_025.pdf
著者 山本 和史|
抄録 「モノ」のデザインにはプロセスごと様々な課題が存在し,それらが統合されて「かたち」を表す。金沢美術工芸大学では柳宗理が重視した「手で考える」スタイルを保持した教育が行われている。一脚の椅子制作を振り返り,デザイン・プロセスとメイキング・プロセスそれぞれの課題と解決を検証,そしてそれらが統合される過程に「手」がどう機能したのかを考察した。また今回テーマとしたファーボーチェアについて,この椅子を基点とした形態的系譜地図を作成した。リ・デザインの重要性を唱えたコ-レ・クリントは何を元にこの椅 子をデザインしたのか,そしてその影響はどうあったのかを調査。北欧デザインにおけるリ・デザインの流れを俯瞰的に捉え考察した。
キーワード 椅子 北欧デザイン リ・デザイン 系譜 金沢美術工芸大学
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-02-25
143巻
開始ページ 13
終了ページ 25
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002309208
JaLCDOI 10.18926/bgeou/19987
タイトル(別表記) A Sturdy on a Method of Guidance Developing Basic Abilities of Choral Singing I
フルテキストURL 143_027_038.pdf
著者 虫明 眞砂子| 黒井 かおり|
抄録 合唱指導における呼吸法指導の重要性をKenneth. H. Phillips著『Teaching Kids To Sing』に沿って考察した。その結果,呼吸法と発声および姿勢と発声の相関性,幼少期からの継続的な呼吸法の練習や姿勢の捉え方の正しい認識などの重要性を再確認することができた。特徴としては,「姿勢の発達練習」に際して,胴体の伸張,肩・腕の準備運動,首・頭の準備 運動,脚の準備運動という流れを基本としている。さらに,「活動的な姿勢のとり方」と「精神的な姿勢のとり方」では,開放的な空間をイメージして発声する点,フレーズの動きと腕の動作を利用する点など,エネルギーと音楽の方向が一体となっていること,アレクサンダー・テクニークをとりいれた精神的な開放と身体のリラックスに重点が置かれていることがわかった。
キーワード 合唱 ウォーミング・アップ 姿勢 呼吸法 指導
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-02-25
143巻
開始ページ 27
終了ページ 38
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002309018
JaLCDOI 10.18926/bgeou/19988
タイトル(別表記) Contemporary Diesterweg (1)-Focus on Reconsideration of Thinking Process in Educational Target
フルテキストURL 143_039_046.pdf
著者 尾島 卓|
抄録 シュライエルマッハーはドイツ市民社会形成期に求められた新しい教師の養成に専心しつつ,国民の学校に必要な教授学理論を構築した。そして,教師の手引きでもある彼の主著『教授指針』における教育目標には,自らを熱烈な信奉者と言わしめたペスタロッテの思想ともう一人の「教師」であったシュライエルマッハーの影響が存在している。ディースターヴェーク教授学をこの新たな角度から再解釈することで,我々は,急激な世界変化から生じる教育と学校そして授業-の要求に対応する,現代の教育学理論・教授学理論のあり方を検討することができるのである。本論は,このような問題意識のもと,ディースターヴェーク教授学の現代的意義を追究する試みの端緒である。
キーワード F.A.W.デイースターヴェーク 自己活動 学校教授学 F.シュライエルマッハー
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-02-25
143巻
開始ページ 39
終了ページ 46
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002309139
JaLCDOI 10.18926/bgeou/19989
タイトル(別表記) Contemporary Diesterweg (1)-Focus on Reconsideration of Thinking Process in Educational Target
フルテキストURL 143_047_055.pdf
著者 安藤 美華代|
抄録 Aim The purpose of this study is to identify psychosocial factors associated with drinking behavior among underage university students. Methods: University students under the age of twenty (N=236) completed a self-reported questionnaire. Relationships between psychosocial variables and drinking were investigated using multigroup structural equation modeling analyses. Restllts: Number of friends who drink alcohol, vigor, self-efficacy in interpersonal relationships, self-assertive efficacy against drinking, self-efficacy in overcoming difficulty, and impulsiveness were associated with drinking behavior. Conclusion: These findings suggest that self-assertive efficacy to resist peer pressure, self-control and mood status are potentially important factors that could be addressed by programs to prevent drinking among underage university student.
キーワード 未成年大学生 飲酒 友達の影響 気分状態 自己効力感
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-02-25
143巻
開始ページ 47
終了ページ 55
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002309148
JaLCDOI 10.18926/bgeou/19990
タイトル(別表記) The Union of Tomi Village into Kagamino Town and its Effects upon the Daily Life of the Villagers
フルテキストURL 143_057_059.pdf
著者 野邊 政雄|
抄録 岡山県富村は2005年の町村合併の結果,鏡野町の一部となった。本稿では,町村合併の結果,鏡野町富地域内にある組織はどのように変更され,住民生活はどのように変化したのかをまとめた。さらに,高齢者やリーダーは富村の町村合併をどのように評価しているかを紹介した。
キーワード 富村 町村合併 社会福祉協議会 農業協働組合習
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-02-25
143巻
開始ページ 57
終了ページ 59
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002309040
JaLCDOI 10.18926/bgeou/19991
タイトル(別表記) A Family of Sir William Temple
フルテキストURL 143_061_071.pdf
著者 岸本 広司|
抄録 本稿は,初期近代イギリスを代表する外交官,文人,造園家であり,またジョナサン・スウィフトのパトロンとしても有名なサー・ウィリアム・テンプルの家系を考察したものである。ここでは,同名の祖父サー・ウィリアム・テンプルと父親サー・ジョン・テンプルを取り上げる。本稿は,テンプルの政治思想研究に関する筆者の全体計画の一部を成すものである。
キーワード サー・ウィリアム・テンプル サー・ジョン・テンプル ラミズム 『アイルランドの反乱』
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-02-25
143巻
開始ページ 61
終了ページ 71
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002309196
著者 岡山大学大学院教育学研究科|
発行日 2010-02-25
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
143巻
資料タイプ その他
著者 岡山大学大学院教育学研究科|
発行日 2010-06-25
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
144巻
資料タイプ その他
JaLCDOI 10.18926/bgeou/40061
タイトル(別表記) Visual Effect of Wood in Black Enclosure Display
フルテキストURL bgeou_144_001_006.pdf
著者 平田 晴路| 比江島 千春| 妹尾 一道|
抄録 本研究は,大学生・大学院生を対象にして,筐体がプラスチックで黒色のディスプレイ画面外枠に木材を張り付けたディスプレイを使用したときに目の疲労が減少するかどうか等を官能調査することを目的とした。普通のプラスチックディスプレイと木材を張り付けたディスプレイを比較した結果を次に示す。(1)木材を張り付けたディスプレイは目と頭の疲労が少ないと,回答する者が多かった。(2)木材を張り付けたディスプレイは,居住環境面のみならず教育的価値面においてもよいイメージであった。しかしながら,集中できるのは普通のプラスチックディスプレイであると回答する者が多かった。
キーワード VDT作業 ディスプレイ プラスチック 木材
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-06-25
144巻
開始ページ 1
終了ページ 6
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002314149
JaLCDOI 10.18926/bgeou/40062
タイトル(別表記) Developing of Manufacturing Education utilizing Robot Contest
フルテキストURL bgeou_144_007_012.pdf
著者 大橋 和正| 妹尾 一道|
抄録 今日,ロボットコンテストは中学生の間で人気があり,ものづくりの基礎を教える教材として興味深い。そこで,本研究では,ロボットコンテストを活用して競技性を導入することにより,ロボット製作のおもしろさ,ものづくりのおもしろさについて興味をもたせることが目的である。とくに,ロボットコンテストでは,競技ルールに基づいて,最高のパフォーマンスを行うという到達目標をもって,ロボットを設計し製作することである。そのために,ロボットの動きなどに工夫を凝らし,競技に勝つためのロボットの機構,構造,材料などの基礎設計,製作方法,組立技術について論述すると共に,それらの指導方法について考察する。最後に,コンテストに向けて製作したロボットの例を示し,製作上の留意点,指導方法についてまとめる。
キーワード ロボットコンテスト ロボット設計 ロボット製作 ものづくり教育
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-06-25
144巻
開始ページ 7
終了ページ 12
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002314150
JaLCDOI 10.18926/bgeou/40063
タイトル(別表記) Instructional Competence of Teachers in Lessons (III) : With Focus on Acquisition of Fundamentals and Basics and Communicative Instruction
フルテキストURL bgeou_144_013_025.pdf
著者 小野 擴男|
抄録 今日,基礎的・基本的な内容についての学習が一方では機械的なトレーニングとして,また他方ではその内容を軽視した話し合い活動のための単なる素材として取り扱われる傾向がある。これは知識や技能の「習得」と「活用」のとらえ方と無関係ではない。前者は「活用」の基礎に練習・記憶による「習得」を位置づけ,後者は豊か思考活動に重きをおいて「習得」や達成についてはあまり配慮を加えない。こうしたあり方に対して,「習得」も「活用」もバランスよく指導することが重要であるともされるが,問題の本質は量的なバランス論にあるのではない。今日の授業の基本的課題として重要なことは,「基礎的・基本的な内容」に込められている意味を確認し,これまでの日本の授業実践の蓄積を読み直すことによって,「基礎的・基本的な内容」の豊かな習得を保障する「授業展開」の仕組みを明らかにすることである。
キーワード 基礎 基本 授業展開 発問 学習形態
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-06-25
144巻
開始ページ 13
終了ページ 25
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002314151
JaLCDOI 10.18926/bgeou/40064
タイトル(別表記) Psychoeducational program to prevent emotional and behavioral problems among junior high school students: Outcome evaluation for Successful Self 2
フルテキストURL bgeou_144_027_037.pdf
著者 安藤 美華代|
抄録 青少年における情緒的および行動上の問題に対する包括的な予防をねらいとした心理教育的プログラム"サクセスフル・セルフ"の継続実施をねらいとして発展した"サクセスフル・セルフ2"を,学校の実情を考慮して異なるレッスンを選択し実施した2校の中学1年生(A群・B群)を対象に,介入前後の効果に関する検討を行った。両群とも成功していく自分をイメージして目標を立てる1時限のレッスンから始め,さらにA群では,自己や友達関係の在り方について考える2レッスンを各2時限かけて計5時限行い,B群では,他者理解,もめごとやストレスに対処するスキルを身につける4レッスンを3時限かけて計4時限行った。プログラム前後に行動ならびに心理社会的要因に関する自記式調査を行った。その結果,両群とも,介入後には,「いじめ」,「いじめをする友達」の減少,「まじめな学校生活態度」,「円滑な友達関係」,「活気」の増加が見られた。さらにB群では,「社会性」,抑うつ・不安 等「気分状態」の向上も見られた。以上より,本プログラムは,青少年の情緒的および行動上の問題を予防し,心の健康を育むことが可能であると示唆された。
キーワード 心理教育的プログラム いじめ 抑うつ 不安 友達関係
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-06-25
144巻
開始ページ 27
終了ページ 37
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002314152
JaLCDOI 10.18926/bgeou/40065
タイトル(別表記) Recent Trends of Research on the Teacher Influence Processes on the Classroom and a Student
フルテキストURL bgeou_144_039_055.pdf
著者 三島 美砂| 淵上 克義|
抄録 本稿では,教育現場における児童・生徒に対する教師の影響力に焦点を当て,先行研究を以下の視点で概観する。まず,これまでの教師の影響力の先行研究においては,教師の指導行動を場面ごとに分けて考えることがなかったことより,本研究において,具体的な三つの指導行動場面(①学級集団全体を対象にした指導行動場面 ②学級集団の中にいる児童・生徒個人を対象にした指導行動場面 ③個別指導時の児童・生徒個人を対象にした指導行動場面)を設定し,それぞれの場面ごとに従来の研究を整理する。また,これまでは,学級集団,児童・生徒個人のどちらか一方への影響のみを検討している研究が多かったので,教師の影 響の及ぶ範囲にも視点を置き,先行研究をまとめていく。さらに,それらを踏まえて,学級経営の実践的諸問題へ対応するため,教師の影響過程の全体的構造を把握できる理論的モデルを提示する。
キーワード 教師 影響力 指導行動 学級集団 児童・生徒個人
出版物タイトル 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
発行日 2010-06-25
144巻
開始ページ 39
終了ページ 55
ISSN 1883-2423
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002314153