JaLCDOI 10.18926/15239
タイトル(別表記) The subjective lived experience that patients have with chronic renal disease
フルテキストURL 012_1_019_026.pdf
著者 出射 史子| 加藤 久美子|
抄録 本研究では慢性腎疾患を有する若い成人の内的経験世界を検討した。5名の患者が疾病に関してどのようなことを経験しているのかについて非組織的な深層面接を受けた。分析の結果,患者の内的経験世界は,(1)患者が経験している感情や思考,(2)疾病や自己についての解釈,(3)重要な他者への信頼,(4)自己の変化と発達(成長)という4つに特徴づけられることが明らかになった。しかるべき質の高い看護を提供するためには,看護者は,患者の内的経験世界を理解することが必要である。
キーワード 慢性腎疾患 (Chronic renal disease) 青年後期 (Young adulthood) 主観的体験世界 (Subjective lived experience) 自己 (Self) 重要他者 (Significant others)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2001-12-25
12巻
1号
開始ページ 19
終了ページ 26
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307642
JaLCDOI 10.18926/15240
タイトル(別表記) Attempts to create the amenity from the nursing point of view - Through approach by using the wrapping skills -
フルテキストURL 012_1_027_036.pdf
著者 小野 清美| 林 優子| 大井 伸子| 奥田 博之| 山岡 聖典|
抄録 病院におけるアメニティの重要性は十数年前から言われているが,それは建物の建築の時だけでなく,その後療養の場所をどのように維持し,快適環境を患者にいつまでも提供していくかである。これまで日常の看護業務において掲示物やパンフレットの置き方,床頭台のあり方などは整理整頓の一環で病棟管理の中にあった。だが,もう一つの流れがある。ウイリアム・モリスは生活の中における芸術化を考え,生活用品そのものに美しきと手作りの良さがあることを提唱した。こうした生活デザインの流れの中で,本研究では本学科棟内において床頭台のディスプレイや掲示の仕方,パンフレットの置き方など,ラッピング技法を使用し,入院生活上のアメニティの創出を試みた。その後,ラッピング技法を用いたアメニティ創出の試みは患者の心を癒す可能性のあることを明らかにした。また,ラッピング技法使用上の留意点についても指摘した。
キーワード アメニティ (amenity) ラッピング (wrapping skill) 入院生活 (life in hospital) 色彩 (color) 癒し (care healing)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2001-12-25
12巻
1号
開始ページ 27
終了ページ 36
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307793
JaLCDOI 10.18926/15241
タイトル(別表記) Investigation of Quality of Life in Kidney Transplant Recipients
フルテキストURL 012_1_037_044.pdf
著者 林 優子| 中西 代志子| 渡邉 久美| 金尾 直美| 保科 英子|
抄録 腎移植は,レシピエントのQOLを高めることで期待される治療法であるが,移植後の拒絶反応や合併症,あるいはそれらに伴う心理社会的問題などによって移植後のQOLに影響を及ぼす危険性を孕んでいる。本研究では,腎移植後レシピエントのQOL向上を目指した看護援助を検討するために,移植後のQOLに影響すると考えられる移植を受けた理由やそのときの気持ち,ローカスオブコントロールをとりあげた。本研究の目的は,そのようなレシピエントの背景がQOLとどのように関係しているのかを明らかにすることである。対象者は研究の同意を得た腎移植後のレシピエント119名であり,人生に対する感じ方,移植を受けた理由やそのときの気持ち,ローカスオブコントロール,QOLなどについて自己報告調査を行った。その結果,レシピエントは移植後に何らかの身体症状や合併症が生じていても,81%の者が人生を肯定的に感じていた。そして,生活を充実させたいとして移植を受けた者が,また,ローカスオブコントロールの内的統制傾向が強い者ほどQOLを高める傾向にあった。したがって,看護婦はQOLに影響を及ぼすレシピエントの背景を加味して,移植前から適切な看護援助を行う必要性が示唆された。
キーワード 腎移植 (Kidney transplantation) 人生に対する感じ方 (How to feel own life) 移植を受けた理由 (Reason for undergoing transplantation) ローカスオブコントロール (Locus of control) QOL
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2001-12-25
12巻
1号
開始ページ 37
終了ページ 44
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307735
JaLCDOI 10.18926/15242
タイトル(別表記) Support team and its effects on house remodeling for aged and handicapped persons
フルテキストURL 012_1_045_052.pdf
著者 本干尾 八州子| 田中 操子| 杉井 真澄| 福島 敏子| 田口 道子| 高見 京子| 中島 康子| 津島 裕子| 安本 勝博| 谷口 望| 太田 武夫| 岡野 初枝|
抄録 地域で生活する高齢者・障害者にとって,住宅環境の整備は必須の要件である。津山市では在宅生活を支援する立場にある保健婦やホームヘルパー,作業療法士等保健・福祉関係者と,建築関係者が共同で支援チームをつくり住宅改造に関わってきた。本研究では,この支援チームが関わった事例と直接関わらないで当事者と業者のみで改造を実施した事例を比較し,支援チームが関わることの効果をみた。調査方法は,各事例の家庭を訪問して面接聞き取り調査を行った。調査内容は調査票を用いて改造箇所,生活空間,介護量,外出の状況について尋ねた。改造前後の変化を比較して,支援チームの効果について以下のことが明らかになった。 1.支援チームの関与による浴室の改造は,入浴が可能となり生活空間が広がるなど改善が認められた。 2.離床を目的にした玄関・廊下・居室の改造は,外出などの日常生活行動を広げ,本人のQOLを高めることに役立つ。以上より住宅の改造が,介護者の介護負担を必ずしも直接軽減するとは限らないが,高齢者・障害者の介護の質に変化を与えることが示唆された。
キーワード 高齢者・障害者 (aged and handicapped person) 住宅改造 (house remodeling) 支援チーム (support team)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2001-12-25
12巻
1号
開始ページ 45
終了ページ 52
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307921
JaLCDOI 10.18926/15243
タイトル(別表記) Consideration to the change of swallowing sense after operation of esophagus cancer - Evaluation of swallowing activity by using IPG and swallowing sound -
フルテキストURL 012_1_053_062.pdf
著者 森 恵子| 山本 尚武| 中村 隆夫| 楠原 俊昌|
抄録 食道癌患者は腫瘍による狭窄のため,程度の差はあるものの,術前より通過障害を認めることが多い。食道癌と診断され,手術を自己決定した患者の多くは,手術をして罹患前のように食事ができるようになりたいと思っている。しかし,患者の多くが術後に嚥下感覚の変化に遭遇する。現在,手術前に実施されるインフォームドコンセント(以下IC)では,術後に起こる嚥下感覚の変化については説明が行われていない。そのため患者は,経口摂取が可能になった時点で嚥下感覚の変化を自覚し,強い不安を感じる。今回, 5人の患者に術後の嚥下感覚の変化に関するインタビューを実施するとともに,術後の嚥下活動を頸部電気インピーダンスおよび嚥下音を用いて測定した。インタビューの結果, 5人全てが,術後に嚥下感覚の変化を自覚し,不安を感じていた。また,青年健常者と比較し,IPG波形の多相化と,嚥下音の咽頭期以外での発生が認められた。患者が,術後に起こる嚥下感覚の変化についてのICを望んでいることからも,術後の嚥下感覚の変化についてのICを行なう必要がある。
キーワード 食道癌 (esophagus cancer) 嚥下障害 (swallowing disorder) 生体電気インピーダンス (bioelectrical impedance) インフォームドコンセント (informed consent)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2001-12-25
12巻
1号
開始ページ 53
終了ページ 62
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307448
JaLCDOI 10.18926/15244
タイトル(別表記) Research on satisfaction of elderlies with dementia in health care facilities.
フルテキストURL 012_1_063_070.pdf
著者 住吉 和子| 川田 智恵子| 岡野 初枝| 岡本 基| 高橋 聖之| 森 秀治| 辻本 久江| 須江 英子|
抄録 2つの老人保健施設に入所している痴呆老人について,観察者による彼らの満足度とその時に観察された行動の関係を明らかにすることを目的とする。調査対象者は,2つの老人保健施設に入所中で,本人または家族より調査への了系の得られた,歩行可能な痴呆老人各14名,合計28名である。観察者は対象者の行動を48時間観察し,どこで誰と何を行っているかとその時の満足度を調査票に記録した。満足度は対象者の表情や態度から観察者が判断し,大変満足を⑤とし,どちらとも言えないを③,大変不満足を①とした5段階評定で示した。その結果以下の3点が明らかとなった。 1)両施設で満足度の高い時間帯は,レクリエーションが含まれる"午前中の時間"であった。 2)満足度が高いのは,居場所では,"レクリエーションルーム・屋外"であった。 3)同行者は,"家族","観察者",行動は,"話をする",手伝いをするなど"自発的な行為"が多くみられた。以上により,2つの施設で満足度ごとの時間帯,居場所,同行者と行動が似通っていたことから,客観的に痴呆老人の満足度を把握することは可能であると考える。
キーワード 老人保健施設 (old people's health facilities) 痴呆老人 (elderlies with dementia) 満足度 (satisfaction)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2001-12-25
12巻
1号
開始ページ 63
終了ページ 70
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307577
JaLCDOI 10.18926/15245
タイトル(別表記) Report on the international conference, "Improving Life through Health Promotion : Nurses Making a Difference"
フルテキストURL 012_1_071_076.pdf
著者 樋口 まち子|
抄録 1986年のオタワ宣言以来,ヘルスプロモーションは先進工業国を中心に健康づくりの柱として健康政策策定に大きな役割を果たしてきた。20世紀後半になるとアジア諸国を始めとする発展途上国でも人口の高齢化や慢性疾患の増加に対応するために,ヘルスプロモーションを視野に入れた健康政策が策定されるようになった。このような状況の中で,各国国民のヘルスプロモーションに対する看護職が担うべき役割が世界的に問われている。「ヘルスプロモーションを通した発展:看護者が重要な成果を生み出す」と題した国際会議がタイで開催され,共催校の一つであるミシガン大学看護学部の教授で,世界保健機関(WHO)とともに長年ヘルスプロモーションの研究に取り組んでいるベンダー教授の基調報告は,それに対する回答でもあった。すなわち,看護者は科学者として成長するために,国際的共同研究の蓄積に努め,文化的背景が異なる人々にヘルスプロモーションの介入計画・評価を発展的に進めていくことが重要である。
キーワード ヘルスプロモーション (Health promotion) 看護の役割 (role of the nurse) 文化交流 (Cross-cultural exchange) 国際共同研究 (International research partnership)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2001-12-25
12巻
1号
開始ページ 71
終了ページ 76
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002308016
JaLCDOI 10.18926/15246
タイトル(別表記) Survey on recipients expenses and degrees of satisfaction in the nursing insurance system
フルテキストURL 012_1_077_082.pdf
著者 鎌田 佳代子| 武岡 千晴| 寺嶋 朋恵| 藤井 可奈子| 松下 英代| 矢野 美雪| 兵藤 好美|
抄録 本研究は,介護保険法の利用者と家族の満足度や,介護保険法がどのように受け止めているのかを明らかにすることを目的とした。対象は,介護保険法の中で訪問看護を受けている利用者の家族の方(主に介護を担当されている方)95名で,郵送法により52名の回答を得た(回収率54.7%)。研究期間は,2000年7月から9月であり,アンケートは介護にかかる費用・介護サービスの2点に重点をおいて作成した。その結果,以下の実態を把握することができた。 1.介護保険法を利用するにあたり,介護サービスにおける費用の問題が多い。介護サービスの内容には満足していたが,介護サービスにかかる費用は高いと感じている。 2.介護者は,介護をしていて「利用者のこれからのことが心配である」,「自分の時間が持てない」と感じている人が多いことがわかった。 3.介護保険法や利用契約の手続きが複雑であるという意見が多かった。今後,介護保険法の利用に向けて,これらの問題点に対する解決への取り組みが必要であることが示唆された。
キーワード 介護保険法 (nursing insurance law) 介護サービス (nursing service) 費用 (expenses) 負担 (burden) 満足感 (satisfaction)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2001-12-25
12巻
1号
開始ページ 77
終了ページ 82
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307867