JaLCDOI | 10.18926/CTED/65062 |
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タイトル(別表記) | Intensifying the Desire to Be a Teacher through Practice Teaching Experiences: Survey of Students Who Have Finalized Their Career Paths with Focus on Teacher Efficacy |
フルテキストURL | cted_013_023.pdf |
著者 | 林 玲奈| 青木 多寿子| |
抄録 | 教育実習を通して教職への志を高くする学生と教職を断念する学生がいる。このような違いが生じるのはなぜであろうか。本稿では体験する実習での学びが両者で異なると考え,教師効力感を指標に教育実習での体験との関係を検討した。ここで取り上げた教育実習での体験は,指導体験と被サポート体験とした。調査対象と時期は進路が確定した4回生の夏とした。分析の結果,教職志望の有無に関らず,教育実習は学生の教師効力感を高めることが示唆された。他方で教職志望者の割合が高い群では,指導体験,被サポート体験は「学級管理・運営効力感」,「教授・指導効力感」と関わっていたが,教職志望者の割合が低い群では,高い群よりも被サポート体験が高いにも関わらず「子ども理解・関係形成効力感」にしか関わってないことが示唆された。教育実習を通して,授業への自信だけでなく,学級管理・運営への自信を持てるかどうかが,教職志望への分かれ目かもしれないことが窺えた。 |
キーワード | 教師効力感 (Teacher Efficacy) 教職志望の高低 (High and Low Aspirations for Teaching) 教育実習 (Educational Practicum) 被サポート体験 (Supported Experiences) 進路確定者への調査 (Survey of Career Decision Makers) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2023-03-30 |
巻 | 13巻 |
開始ページ | 23 |
終了ページ | 35 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2023 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/65061 |
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タイトル(別表記) | Toward Effective and Efficient Team Meetings in Designing Individualized Instruction Plan in Activity to Promote Independence |
フルテキストURL | cted_013_007.pdf |
著者 | 川上 佳奈| 重永 多恵| 角原 佳介| 高下 心輔| 仲矢 明孝| |
抄録 | A知的障害特別支援学校では、各学部教師全員で検討する「自立活動検討会」において全児童生徒の自立活動の個別の指導計画の作成と評価を行っている。本研究では、実施された検討会の経過を整理、分析することにより、チームによる効率的・効果的な検討会の在り方について検討した。従来の検討会の課題の改善を意図して実施された前期設計及び後期設計の検討会に参加した教師の意識や話し合いの内容等の変容を確かめるため、参加した教師全員に、2 回のアンケート調査等を実施した。その結果、児童生徒全員に一律ではなく、ケースに応じた検討時間と検討内容の設定、検討会における適切な「問い」の提示、ホワイトボードの有効活用等により、検討時間の短縮と効率化が図られたこと、及び検討会に対する教師の満足感等が確かめられた。一方で、検討会の課題は、日頃の自立活動の指導の充実との関連が深く、指導の充実に向けた取組の必要性が示唆された。 |
キーワード | 自立活動(Activity to Promote Independence) 個別の指導計画 (individualized instruction plan) 検討会 (team meeting) 効率性 (efficiency) 質の向上 (quality development) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2023-03-30 |
巻 | 13巻 |
開始ページ | 7 |
終了ページ | 21 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2023 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/65060 |
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タイトル(別表記) | Analysis of Online Lectures by Using Attendance Efficiency and Lecture Efficiency -An Attempt to Estimate the Optimal Online Lecture Duration- |
フルテキストURL | cted_013_1.pdf |
著者 | 山川 純次| |
抄録 | リアルタイム形式でオンライン講義を行い,その講義動画をアーカイブ提供する場合,受講生は複数回の受講が可能になるのと同時に必要な部分だけを選択して受講することが可能になる。この状況を数値化したものが受講効率Ae である(山川・高旗, 2022)。今回,新たに講義効率(Lecture efficiency, Le)を定義し,データサイエンスの手法に基づき,筆者が2020 年度から2022 年度の3 年間に実施した約100 回のオンライン講義のAe をLeを使った線形モデルおよび非線形モデルでモデリングして検討したところ,最適なオンライン講義動画の長さは法定講義時間に対して1/2 から2/3 であることが推定された。またこの際のAe は2.0 < Ae < 2.5 の範囲に収束した。これらを講義動画の平均視聴回数と併せて考察するとオンライン講義の受講者は複数回の視聴により約96 %の充足率でオンライン講義動画を視聴していると考えられることがわかった。 |
キーワード | オンライン講義(Online lecture) 受講効率(Attendance efficiency) 講義効率(Lecture efficiency) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2023-03-30 |
巻 | 13巻 |
開始ページ | 1 |
終了ページ | 6 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2023 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
フルテキストURL | cted_013_contents.pdf |
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出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2023-03-30 |
巻 | 13巻 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2023 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
フルテキストURL | cted_013_all.pdf |
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出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2023-03-30 |
巻 | 13巻 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2023 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
フルテキストURL | cted_012_contents_e.pdf |
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出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
フルテキストURL | cted_012_colophon.pdf |
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出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63322 |
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タイトル(別表記) | Research Trends and Issues Related to Prevention of Infectious Diseases in Early Childhood |
フルテキストURL | cted_012_403.pdf |
著者 | 馬場 訓子| 梅本 菜央| 小林 優香| 横田 咲樹| 髙橋 敏之| |
抄録 | 本論は,幼児期の健康教育の中でも感染症予防に焦点を当て,近年の研究の動向について,「保育施設における取組みに関する研究」「幼児が実践する感染予防に関する研究」「感染症予防に関する保育者の意識に関する研究」「保育施設と関係機関との連携に関する研究」「保育者養成校における感染症予防教育に関する研究」に分類し考察したものである。幼児を対象とした感染症予防に関する研究成果は,小児保健分野における研究成果が多く,保育実践を対象とした研究は,手洗いに関する論考が散見されるものの,具体的な教育内容や指導法等の実践に直結した研究は未だ進んでいない。感染症対策が強く求められる中で,今後,保育現場の実情に即した様々な観点からの研究の推進が望まれる。 |
キーワード | 幼児期(early childhood) 感染症予防(prevention of infectious diseases (PID)) 健康教育(heath education) 手洗い(handwashing) 保育(childcare) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 403 |
終了ページ | 416 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63321 |
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タイトル(別表記) | Research Trends and Issues of Shape Learning in the Preschool Period |
フルテキストURL | cted_012_387.pdf |
著者 | 髙橋 慧| 横田 咲樹| 吉利 宗久| |
抄録 | 本論は,幼児造形教育における形の学びとは何かについて,見立てによる形の学び,平面における形の学び,立体における形の学び,の3つの視点から考察した。その結果,以下のことが明らかになった。(1)見立て遊びの中で,幼児が感じる形の面白さや形に対する造形的な学びは何かを解明する必要がある。(2)保育技術としては,幼児の「何々みたい」という発話を大切に受け止めながら,形に対する興味関心を引き出す保育者の言葉掛けが重要である。(3)幼児が,粘土や積み木やブロック等によって,形は与えられるだけでなく,形作ることができる,ということに能動的に気付くような環境設定が必要である。 |
キーワード | 幼児造形教育(creativity education for preschoolers) 幼児の学び(preschool student learning) 見立て遊び(symbolic play) 平面と立体(two-dimensional and three-dimensional shapes) 偶然の形(contingent shapes) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 387 |
終了ページ | 401 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63320 |
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タイトル(別表記) | The Unstable Experience Worlds of School-aged Children with Autism Spectrum Disorders ―Review the Notes of Children with Autism Spectrum Disorders |
フルテキストURL | cted_012_375.pdf |
著者 | 菅原 結香| 丹治 敬之| |
抄録 | 学校現場において、教員が発達障害児の言動に対する理解や対応に困難さを感じている現状がある。一方で、その問題の背景には、発達障害児自身が困難に感じている状況もある。特に自閉症スペクトラムに関しては、表面的に現れやすいコミュニケーションの問題やこだわりの強さ等の背景に、外からでは気づかれにくい特有の感じ方や捉え方(不安定な経験世界)があると考えられる。本研究では、学校生活で生じる可能性のある自閉症スペクトラム児が抱える不安定な経験世界とは何かを明らかにするため、学齢期の自閉症スペクトラム当事者手記を分析した。その結果、「外からの刺激を捉える感覚」、「物の見え方」等の特有の感じ方や捉え方が11 のカテゴリーに整理された。本研究の結果から、自閉症スペクトラム児が安心して学校生活を送るためには、教員による不安定な経験世界への理解、その理解に応じた環境調整によって困難さを軽減することが重要であると考察した。 |
キーワード | 自閉症スペクトラム(Autism Spectrum Disorders) 学齢期(School-aged Children) 不安定な経験世界(Unstable Experience Worlds) 当事者手記(Notes and books writ ten by Tojisya) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 375 |
終了ページ | 386 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63319 |
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タイトル(別表記) | A Study of Online Practice Teaching in a Japanese Teacher Training Course: Developing Pedagogical Knowledge and Competence Required in Japanese Teaching |
フルテキストURL | cted_012_359.pdf |
著者 | 末繁 美和| |
抄録 | 本稿は,日本語教育副専攻コースにおいて,日本語教師に求められる資質・能力を養うことを目的とし行ったオンラインによる教育実習の実践報告である。オンライン実習において,1)実習生がどのような気づきや学びを得たか,2)問題点や改善すべき課題は何か,の2 点について考察するため,実習生の振り返りレポートをKJ 法を用いて分析した。その結果,①授業・教材作りに関する技術,②状況・相手に応じたやり取りの技術,③学習者の視点・背景の理解,④言語教育者としての態度,⑤精神面のセルフコントロールの5つのカテゴリーに関する気づき・学びならびに実施上の問題が観察されることが分かった。 |
キーワード | 日本語教育副専攻コース(Japanese teacher training course) 教育実習(practice teaching) オンライン(online) 振り返りレポート(reflective reports) 気づきと学び(awareness and learning) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 359 |
終了ページ | 373 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63318 |
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タイトル(別表記) | Use of Table-Talk Role-Playing Game (TRPG) to Promote Communication Behaviors among Children with ASD |
フルテキストURL | cted_012_343.pdf |
著者 | 木下 豪| 丹治 敬之| |
抄録 | 本研究では,自閉スペクトラム症(ASD)または注意欠陥多動性障害(ADHD)のある小学生3名を対象に,テーブルトーク・ロールプレイングゲーム(TRPG)を用いた余暇活動を実施し,児童同士のコミュニケーション行動の変容について検討した。加藤ら(2019)による「いただきダンジョンRPG」において,ゲーム上の場面区分「探索フェイズ」「戦闘フェイズ」が,児童同士の発話量と発話内容にどのような変化をもたらすかについて,実際の活動場面からトランスクリプトを作成して分析した。その結果,児童同士の発話量が「探索フェイズ」「戦闘フェイズ」の両方において増加し,発話内容も多様化した。この結果から,TRPG を用いた余暇活動は,同年代の他者とのコミュニケーションや交流機会の成功体験を蓄積できる活動として,ASD 児にとって有用であることが示唆された。 |
キーワード | ASD(Autism Spectrum Disorder) TRPG(Table-Talk Role Playing Game) コミュニケーション(Communication) 余暇活動(Leisure Activities) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 343 |
終了ページ | 357 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63317 |
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タイトル(別表記) | Practical report of “Technical subject Teaching Methodology (Advanced I, Advanced II)” in Reiwa 3 |
フルテキストURL | cted_012_329.pdf |
著者 | 小林 清太郎| 赤木 恭吾| |
抄録 | 「工業科教育法(応用Ⅰ,応用Ⅱ)」は令和3年度に初めて受講生があり,2名の教員で授業を行った。この授業では,学生に教科指導力を身に付けさせるとともに,幅広く工業に関する知識を養うことを目的としている。このため,「何ができるようになるのか」「何を学ぶのか」「どのように学ぶのか」「一人一人の発達をどのように支援するのか」「何が身に付いたのか」「実施するために何が必要か」の6つの観点で,授業をつくり上げる力の育成を目指した。実践報告を通じて成果と課題を明確にし,改善を図ることで来年度以降の授業の充実に繋げたい。 |
キーワード | 何ができるようになるのか(What you will be able to do) 何を学ぶのか(what you will learn) どのように学ぶのか(how you will learn) 一人一人の発達をどのように支援するのか(how you will support the development of each student) 何が身に付いたのか(what you have learned) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 329 |
終了ページ | 341 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63316 |
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タイトル(別表記) | The Specific Practice of School Based Curriculum Development - Organizational Practice of Japanese language learning through the Interpretation of the School Educational Aims - |
フルテキストURL | cted_012_317.pdf |
著者 | 稲本 多加志| 宮本 浩治| |
抄録 | 本研究の目的は,学校カリキュラムの開発において,「目指す子ども像」の共有と,その姿の実現に向けた取り組みの具体的な展開,実践の詳細を検討することにある。具体的には,カリキュラム開発に携わるリーダーシップと意思決定のあり方,そしてそれが機能した(機能しつつある)開発の過程についての事例として,岡山大学教育学部附属小学校国語部の取り組みを検討した。検討を通じて明らかになったことは,「目指す子ども像」をもとに授業自体を解釈し直し,授業の意味を探ることを通じて,授業者自身にも「目指す子ども像」を具現化した授業がイメージできるようになり,学校全体を通じた組織的な取り組みとなる可能性があるということである。さらに,こうした取り組みを行う中で,実践的リーダーは,解釈のモデルを示したり,やりとりをする中で別の解釈を引き出したりすることや,解釈自体を修正したりすることが重要となることが明らかになった。 |
キーワード | カリキュラム開発(Curriculum Development) 「目指す子ども像」の共有と解釈(Sharing and Interpreting the Appearance of Children Trying to Raise) リーダーシップ(Leadership) 組織開発(Organizational Development) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 317 |
終了ページ | 327 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63315 |
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タイトル(別表記) | A study of teachers’ sensitizing reflection |
フルテキストURL | cted_012_301.pdf |
著者 | 谷本 竜一| 酒向 治子| |
抄録 | 教師教育研究における近年の課題として,「教師の指導技術を担保している思考過程を解明する。」「理論と実践の課題を解消する。」という二つが挙げられる。本研究では,これらを解決する糸口として,「感性」と「行為の中の省察」に着目した。理論と実践の両面から,「教師の感性的な省察力」について,質的に考察することを目的とし,「感性」の論点を整理するための文献研究と教師の省察力を観る実験を行った。本研究で得られた知見として,以下の3点が示唆された。①教師に求められる「感性」の働きには,非言語情報の認識と,その認識を元にした想像(イメージ)力の二つが重要であり,この二つには関連がある。②教師の「感性的な省察力」は段階を追った構造として捉えるものではなく,なだらかなスペクトラム(連続体)上で捉えられるべきものである。③「感性」は理性と二項対立的な概念でなく,一体化したものとして捉えられるべきものである。 |
キーワード | 感性(sensitizing reflection) 省察(reflection) 教師教育(teacher education) 体育科教育(physical education) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 301 |
終了ページ | 315 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63314 |
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タイトル(別表記) | Identifying Key Points to Consider in the Implementation of Programming Education for Students with Intellectual Disabilities |
フルテキストURL | cted_012_287.pdf |
著者 | 谷藤 隆行| 宮﨑 善郎| |
抄録 | 知的障害のある児童生徒に対する指導内容としての妥当性の検証と実施上の留意点を得ることを目的として,知的障害特別支援学校において6名を対象にプログラミングロボットを使用し,「進む方向や進む距離を正しく表現できる」をねらいとして授業実践を行った。アンプラグド学習を組み合わせた指導を実施し,その結果,個人差はあるものの全員前後左右の理解が促進された。また,プログラミング的思考の評価は,小学校や保育等の評価基準に関する先行研究を参考にして作成した「プログラミング的思考段階表(試案)」から目標を設定し,評価を行った。評価の結果,プログラミング的思考の育成にも実践の効果が示唆された。以上のことから,知的障害教育における実施上の留意点として「目標設定」「指導計画の作成」「指導・支援」「評価」の4つに整理することができた。今後は段階表や留意点の内容や活用方法,有用性についてさらに検証が必要である。 |
キーワード | プログラミング教育(Programming Education) 知的障害教育(Intellectual Disability Education) 前後左右の理解(Understanding Front Back Left Right) プログラミング的思考段階表(Programming Thinking Stage Table) プログラミングロボット(Programming Robot) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 287 |
終了ページ | 299 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63313 |
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タイトル(別表記) | An Advanced Training Program Development for School Teachers and Staff: Purposes and Activities of Okayama Center, National Institute for School Teachers and Staff Development (NITS Okayama Center) |
フルテキストURL | cted_012_271.pdf |
著者 | 梶井 一暁| 熊谷 愼之輔| 小林 万里子| 高瀬 淳| 仲矢 明孝| 松枝 睦美| 三村 由香里| |
抄録 | 本論文では,これからの教師の学びの在り方を明らかにしたうえで,教師の学びを保障する場やその特質について考察する。具体的には,まず,近年の教員政策のなかで求められる教師像をもとに,教師の学びがどのように意味づけられるかを明らかにする。そのうえで,既存の教師の学びの場である教育委員会等が企画運営する研修,教職大学院,各学校で行われる校内研修等との比較により,(独)教職員支援機構岡山大学センターが構想する研修プログラムの特色を描出し,教職員の学びが深化するためのしくみを構築することの必要性と重要性を指摘したい。と同時に,教職員の学びの成果を可視化していくためには,研修プログラムに対するアウトカム重視の評価の開発が求められる。この点については今後の課題とする。 |
キーワード | 学習者としての教師(teachers as leaners) 教職員研修(training programs for school teachers and staff) 学びのコミュニティ(communities of learning) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 271 |
終了ページ | 285 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63312 |
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タイトル(別表記) | What are Relater with Subjective Well-being? The Relationship between Empathy and Self-acceptance to Make a Better Relationship with Others. |
フルテキストURL | cted_012_257.pdf |
著者 | 梅本 菜央| 青木 多寿子| |
抄録 | 本研究では他者との関わりを円滑にするものとして共感性に着目した。共感性には,自己指向的な共感,他者指向的な共感といった複数の側面がある。先行研究から,この指向性の違いにより主観的幸福感が違ってくることが示されている。本研究では,主観的幸福感を高める共感性に,自己受容性が関わっているのではないかと考えた。そこで,本研究では,共感性,自己受容性,主観的幸福感の関連を高校生と大学生を調査対象に検討した。分析の結果,高校生は,他者理解への意欲,他者への感情移入が主観的幸福感に影響していた。大学生は,他者理解への意欲が主観的幸福感に影響していた。さらに,主観的幸福感を高めるこれらの共感性に,高校生は自己受容性のうち自己理解が影響していた。一方,大学生は主観的幸福感を高める共感性に,自己受容性は影響していなかった。これらの結果には,高校生と大学生の環境の違いや発達差が関わっていることが考えられた。 |
キーワード | 共感性(Empathy) 自己受容性(Self-acceptance) 主観的幸福感(Subjective Well-being) 高校生(High-school Students) 大学生(College Students) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 257 |
終了ページ | 269 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63311 |
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タイトル(別表記) | Research Trends and Issues Concerning Childcare Teachers’ Views on Childcare With a Focus on Differences in Childcare Experiences as Kindergarten Teachers and Nursery Teachers |
フルテキストURL | cted_012_243.pdf |
著者 | 蓮井 和也| 中平 絢子| 高橋 敏之| 片山 美香| |
抄録 | 『子ども・子育て支援法』改正以降,認定こども園は大幅に増加し,それに伴い様々な保育経験(幼稚園教諭・保育所保育士)をもった保育教諭が同じ園で勤務する状況も増えている。そこで本論では,保育教諭の保育経験の違いに着目し,保育観に関する研究動向と課題について考察した。先行研究を内容ごとに分類して概観すると,幼稚園教諭は教育的要素を,保育所保育士は養護的要素をもつ保育観をそれぞれに重視する傾向が示唆された。しかし,保育経験の違いがどのような保育内容や保育場面において保育観の相違をもたらすかについて十分な検討がされていないことが明らかになった。保育観の共有が保育の質の向上に繋がることから,保育経験による保育教諭の保育観の詳細な相違点を明らかにすることが今後の課題である。 |
キーワード | 認定こども園(certified center for early childhood education and care) 保育教諭(childcare teacher) 保育観(view on childcare) 相違(difference) 保育経験(childcare experience) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 243 |
終了ページ | 255 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |
JaLCDOI | 10.18926/CTED/63310 |
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タイトル(別表記) | An Examination of the Teachers’ Cognitive Dimensions for Teacher-Student Relationships -Through a Case Study of Three Junior High School Teachers- |
フルテキストURL | cted_012_227.pdf |
著者 | 飯田 都| |
抄録 | 教師の認知次元が,生徒との関係性や生徒の学級適応感にどのように影響しているのか,各認知次元ごとにその意味合いを確認することを目的とし,3学級の生徒と担任教師を対象として検討を行った。すべての認知次元が生徒の学級適応感や生徒との関係性に対し等しく影響力を持つわけではなく,特定の認知次元がキーとなっていることが示された。また,先行研究から示されているように,生徒認知次元の数が少ないと,1つの次元にいくつもの意味合いや働きが凝縮されるのに対し,3つ以上の認知次元を持つ場合には,各次元の役割は分化し,評価的意味合いを帯びない中立的で特徴記述的な次元も生まれることが確認された。中学校教師の生徒認知次元は小学校教師に比べ,より個性的で独自性の強い視点となっている可能性が示唆され,中学校以降の教師の生徒認知次元に関わる知見の拡大と,その実践的活用の可能性についての検討を進める必要性が示された。 |
キーワード | 教師用RCRT(RCRT for teachers) 学級適応(school adjustment) Person-Environment fit(Person-Environment Fit) 生徒認知(perception for students) 教師-生徒関係(teacher-student relationships) |
出版物タイトル | 岡山大学教師教育開発センター紀要 |
発行日 | 2022-03-30 |
巻 | 12巻 |
開始ページ | 227 |
終了ページ | 241 |
ISSN | 2186-1323 |
言語 | 日本語 |
著作権者 | Copyright © 2022 岡山大学教師教育開発センター |
論文のバージョン | publisher |