JaLCDOI 10.18926/CTED/66771
タイトル(別表記) Implementation and Evaluation of Teacher Training on Food Allergy Education in Kindergarten ― Aiming to Foster Children Leading Healthy Lives, Regardless of the Presence of Food Allergies ―
フルテキストURL cted_014_047.pdf
著者 新宅 由実子| 井山 房子| 黒住 知代| 阿部 耕平| 小谷 香代| 鷹取 万友美| 岡田 恵太| 田中 真帆| 三木 彩織|
抄録  本研究の目的は,幼稚園において食物アレルギーと共に生活する子供を育む方策を検討することである。本研究では,食物アレルギー教育に関する教員研修を行い,研修中の教員の反応と研修前後のアンケート調査の結果を基に,その効果を評価した。
 研修後には,食物アレルギーやその対応によって生じる子供達の心境へも目を向ける必要性の理解が深まった。また事例検討を通して,幼稚園においても幼児なりに食物アレルギーを理解して対応できるように伝える必要性があると明らかになり,実際に指導できそうな具体的な場面も挙げられた。さらに研修中,脈々と受け継がれてきた“教育観”と,現在の多様化した時代背景や子供達の実態,社会的なつながりを踏まえて更新される“教育観”の中で揺れ動く教員の姿が見られ,その揺らぎや葛藤自体が,個別のニーズを適切に受け入れ,多様性を尊重する教師の観念を磨くことにつながっていると考えられた。
キーワード 食物アレルギー教育 (Food Allergy Education) 食物アレルギー研修 (Food Allergy Training) 幼稚園 (Kindergarten) 教員研修 (Teacher Training) 多様性 (Diversity)
出版物タイトル 岡山大学教師教育開発センター紀要
発行日 2024-03-29
14巻
開始ページ 47
終了ページ 55
ISSN 2186-1323
言語 日本語
著作権者 Copyright © 2024 岡山大学教師教育開発センター
論文のバージョン publisher
JaLCDOI 10.18926/CTED/66772
タイトル(別表記) Development of Cross-curricular Science Lessons Incorporating a Musical Perspective -Cultivation of Weather Awareness through a Japanese school song “Soshun-fu”-
フルテキストURL cted_014_057.pdf
著者 松尾 健一| 松本 健吾| 加藤 内藏進|
抄録  季節の遷移期に注目した気象と音楽とを連携させた教科等横断型のアクティブ・ラーニング型の理科授業を考案し,その学習効果を検討した。唱歌《早春賦》を接点として,「芸術作品に表現される自然や季節を感覚的な視点で捉えることから気象の理解のきっかけとする」と同時に,「自然や季節を科学的な視点で捉えることで芸術作品の成立や表現したいことの背景の理解を深める」といった気象(科学的視点)と芸術(感覚的視点)とを連携させた双方向からのアプローチにより,生徒の興味・関心を高め,多面的な視点から考察できるような授業デザインとした。模擬授業後のアンケート分析により,本授業の狙いが伝わったような記述が多く見受けられ,相応の学習効果が認められた。また,本研究は,教科等横断型授業としても意義のある新たな提案の1つと考える。
キーワード 気温変動 (temperature fluctuation) 三寒四温 (SanKan-ShiOn) 教科等横断型授業 (cross-curricular lessons) アクティブ・ラーニング型授業 (active learning)
出版物タイトル 岡山大学教師教育開発センター紀要
発行日 2024-03-29
14巻
開始ページ 57
終了ページ 70
ISSN 2186-1323
言語 日本語
著作権者 Copyright © 2024 岡山大学教師教育開発センター
論文のバージョン publisher
JaLCDOI 10.18926/CTED/66773
タイトル(別表記) High-school Students’ Recognition in Learning and Relationship between Recognition in Learning and Subjective School Adjustment -An Examination of Reminiscence Method-
フルテキストURL cted_014_071.pdf
著者 三島 知剛| 山田 洋平|
抄録  本研究の目的は,高校生の学習に対する認識の検討および学校適応感との関連を検討することであった。学習に対する認識として本研究では学習観と協同作業認識に着目した。入学間もない大学1年生を対象に高校時を想起させて回答を求め,109名を分析対象とした。主な結果として(1)学習観の下位尺度のうち「方略志向」が最も高いこと,(2)植木(2002)との比較において「方略志向」を志向する人数が増えていること,複数または3つ全ての下位尺度で高群に分類される対象者が本調査には多いこと,(3)協同作業について肯定的な捉えを有している可能性があること,(4)協同作業について肯定的な捉えがあるほど学校適応状態が良好であることが示唆された。
キーワード 学習観 (learning belief) 協同作業認識 (belief in cooperation) 学校適応感 (subjective school adjustment) 高校生 (high-school students)
出版物タイトル 岡山大学教師教育開発センター紀要
発行日 2024-03-29
14巻
開始ページ 71
終了ページ 85
ISSN 2186-1323
言語 日本語
著作権者 Copyright © 2024 岡山大学教師教育開発センター
論文のバージョン publisher
JaLCDOI 10.18926/CTED/66774
タイトル(別表記) The Introduction and Effective Use of Individualized Education Program of Learning in Regular Class (LRC) in China
フルテキストURL cted_014_087.pdf
著者 胡 珏穎| 吉利 宗久|
抄録  本研究では,随班就読における個別化教育計画の作成及び効果的な活用に向けた課題を明らかにし,改善策を提言することを目的とした。随班就読の担当経験のある小中学校の教員(5名)を対象にインタビュー調査を行った。M-GTA に基づく質的分析の結果,個別化教育計画の作成のための困難は,【随班就読政策に関する課題】【保護者との連携の課題】【個別化教育計画の作成における教員の実践的課題】に分類できた。これらの課題の改善のためには,随班就読に関する詳細で実質的な法律上の規定を整備し,障害のある児童生徒を受け入れた後の対応の仕組みを明確にする必要がある。また,個別化教育計画の認知度及び作成率を高め,作成に当たっての連携が重要になる。とくに,計画の作成にとどまらず,その活用法が重要であり,計画の有効性を評価する仕組みづくりが不可欠である。
キーワード 中華人民共和国 (People's Republic of China) 随班就読 (Learning in Regular Class (LRC)) 個別化教育計画 (Individualized Education Program)
出版物タイトル 岡山大学教師教育開発センター紀要
発行日 2024-03-29
14巻
開始ページ 87
終了ページ 101
ISSN 2186-1323
言語 日本語
著作権者 Copyright © 2024 岡山大学教師教育開発センター
論文のバージョン publisher
JaLCDOI 10.18926/CTED/66775
タイトル(別表記) Development of Learning Focusing on the Perspective of “The Situation Narrated” in Japanese Language Arts in High School: A Lesson for Hone to Tane by KAWAKAMI Hiromi
フルテキストURL cted_014_103.pdf
著者 元村 綜太| 槇野 滋子| 池田 匡史|
抄録  近年,文学的文章の読みの学習指導論では,「語り」に目が向けられつつあり,高等学校段階でも授業実践が報告されている。一方で,「語り」の具体的な指導方法の蓄積がなされていないことや,高等学校段階での発展的な「語り」の学習の実践の蓄積がなされていないことが,国語教育研究上の課題と捉えられる。そこで本研究では,高等学校段階において,学習者が「語り」概念,特に「語りの視点」だけでなく「語りの場」にも着目するという読みの観点を学習者が獲得することを目指す実践を開発するとともに,それを実際に展開し,その価値を検証することを目的とした。具体的には,川上弘美の「ほねとたね」を教材とし,学習者の登場人物の好感度の評価や回想文作成を踏まえ,「語りの場」を考える実践を展開しその成果を検討した。その結果,本実践を通して学習者は「語り」概念を獲得するとともに,「語りの視点」,「語りの場」にも着目した読みの達成が示唆された。
キーワード 読むこと (Reading) 文学国語 (Japanese Language (Literature)) 文学的文章 (Literary texts) 「語り」 (“Narrative”) 「語り手」 (“Narrator”)
出版物タイトル 岡山大学教師教育開発センター紀要
発行日 2024-03-29
14巻
開始ページ 103
終了ページ 117
ISSN 2186-1323
言語 日本語
著作権者 Copyright © 2024 岡山大学教師教育開発センター
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JaLCDOI 10.18926/CTED/66776
タイトル(別表記) Study on the Process of Formation of Elementary School Teachers’ perspective on Social Studies -Focusing on rookie teachers-
フルテキストURL cted_014_119.pdf
著者 福田 友香| 桑原 敏典|
抄録  本研究は,初任期の小学校教師が何を拠り所として社会科観を形成しているのか,また自身の社会科観をどのように発展させていこうとしているのかを明らかにしようとするものである。調査の結果,初任期小学校教師は,大学時代の卒業論文を書くために所属したゼミでの学びが核となり,日々の授業での子供観察や教材研究,生徒指導の経験など,新しい経験や価値観に出会うことを通して不足している部分を補いながら自身の社会科観を形成しており,社会科観は流動的であることが明らかになった。また,社会科を通して育てたい子供像については,教師のよりよい未来社会への志向が,社会科の役割に対する考えの核となっており,社会科を生徒指導や生活指導と密接に関連する教科であると認識していた。
キーワード 小学校教師 (elementary school teacher) 社会科観 (social studies perspectives) インタビュー (interview) 初任期教師 (rookie teacher) 教師のゲートキーピング (gatekeeping role of teacher)
出版物タイトル 岡山大学教師教育開発センター紀要
発行日 2024-03-29
14巻
開始ページ 119
終了ページ 133
ISSN 2186-1323
言語 日本語
著作権者 Copyright © 2024 岡山大学教師教育開発センター
論文のバージョン publisher
JaLCDOI 10.18926/CTED/66777
タイトル(別表記) A Study on the Formation of Educational Philosophy of Collaboration Coordinators Linking Schools and Communities -Focusing on the Process of Embodying Ideals-
フルテキストURL cted_014_135.pdf
著者 波多野 雅俊| 桑原 敏典|
抄録  本研究は,外部人材の教育観に着目し,インタビュー調査を通して連携支援員の教育に関する理想とその具体化の過程を明らかにしようとするものである。対象とするのは,Y県で連携支援員として活動した経験を持つ4名である。近年,「社会に開かれた教育課程」の推進により,地域と連携した授業の開発や学校現場における「地域コーディネーター」をはじめとした連携支援員の配置が進んでいる。全国都道府県教育長協議会第2部会(2019)や地域・教育魅力化プラットフォーム(2019)などにより連携支援員の実態に迫った量的研究が行われるなど,連携支援員に注目が集まっている。本研究では,学校と地域の橋渡し機能を果たしている連携支援員の理想と,その理念の具体化の過程を分析し,連携支援員の教育観が形成される過程を解明したい。
キーワード 連携支援員 (collaboration coordinators) 教育観 (educational view) 理想 (ideal) 具体化 (embodiment)
出版物タイトル 岡山大学教師教育開発センター紀要
発行日 2024-03-29
14巻
開始ページ 135
終了ページ 149
ISSN 2186-1323
言語 日本語
著作権者 Copyright © 2024 岡山大学教師教育開発センター
論文のバージョン publisher
JaLCDOI 10.18926/CTED/66778
タイトル(別表記) Research on a Citizenship Education Education Program that Raises Awareness of the Boundaries Between Self and Others Defined by the Concept of ‘Normal’
フルテキストURL cted_014_151.pdf
著者 松原 心| 桑原 敏典|
抄録  本研究は,子どもの価値判断基準,つまり自分と他者を区別する価値判断を問い直すプログラム構成原理を明らかにし,その原理に基づいて開発したプログラムを大学生に対して実験的に実践することを通して,原理の有効性や学習者の価値判断基準の変容を明らかにしようとするものである。本研究では,これまでの価値判断学習にはなかった感情を取り入れた新たな構成原理を明らかにするとともに,プログラムの開発・実践を通して,社会認識のみではなく,感情も踏まえた思考をすることを通して自分と他者を区別する境界が存在していることに気づき,新たな価値を生み出していこうとする学習者の姿が明らかになった。以上のような自他の境界を見つめ直す機会を繰り返すことが,真に多様性を認める社会の形成者の育成につながると考える。
キーワード 多様性 (diversity) 価値判断学習 (studies on value judgment learning) 社会認識 (social perception) 感情 (emotion) ふつう (normal)
出版物タイトル 岡山大学教師教育開発センター紀要
発行日 2024-03-29
14巻
開始ページ 151
終了ページ 164
ISSN 2186-1323
言語 日本語
著作権者 Copyright © 2024 岡山大学教師教育開発センター
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