137CsによるハスモンヨトウSpodoptera litura(F.)のSterile Male Techniqueのための基礎研究 3.フィールド・ケージ内におけるガンマー線照射個体と無照射個体の交尾競争に関する実験

人工飼育によって得た蛹へ12KRの線量を照射して不妊化したハスモンヨトウとカンランで飼育して得た正常個体の交尾競争に関する実験が区当たり200×120×180cmのフィールド・ケージ内で実施された. そのケージ内には交尾した雌が産卵するためのカンランと大豆が植えられ,正常雄・雌と不妊化雄のみまたはその雄・雌の両方が組み合わされて成虫の交尾行動,生存日数,産卵数と孵化率および交尾嚢内の精莢が調査された. 10個以上の不妊化雄と1個の正常雄が1個の正常雌と組み合わされたとき,および14個以上の不妊化雄と2個の正常雄と組み合わされたときは,不妊化雄は正常雄に対して高い交尾競争を示し,また5個の不妊化雄雌と1対の正常雄雌,あるいは10個の不妊化雄雌と2対の正常雄雌が共存したときには十分な交尾競争を示した. 更に不妊化雄と正常雌の組み合わせより得られた子孫は不妊であることがわかった。