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ID 54536
JaLCDOI
Sort Key
6
Title Alternative
“情(Qing)”in the Zhu Xi Philosophy
FullText URL
Author
Sun, Luyi publons
Abstract
 本稿では、朱子のいう「情」についてできるだけ深く掘り下げて再検討することを試みる。  「天地の情」は、自然界の、「公正無私、健やか、和やか」といった性格と気の働きとの両義を併せ持つものである。つまり、自然界のあらゆる自然現象や自然物は皆、「公正無私、健やか、和やか」といった性格を持つ気の働きによって作り出されたものである。「公正無私、健やか、和やか」という性格は、「天地の心」が無生物や生物や人間に賦与されることに伴ってそれらの物体にも備わるのである。  「物の情」は、物体のその自身の性質を現す働きである。「草木禽獣の情」は、「五常の性」から発生した原初的「情」と、原初的「情」が具体的な物に対して向かうことによって生じた志向的情感、及び知覚、といった内面的な働きである。  「人の情」には、「本然の性」から発生した「四端」と「気質の性」から発生した「七情」の二種類がある。「四端」は原初的「情」であり、「七情」はその一部分が原初的「情」となって現れる。原初的「情」の働き方によって生じた幾つかの異なる心の働きが派生的「情」であり、派生的「情」には「意」「志」「知」「思慮」などといった要素が含まれている。  「意」と「志」はともに志向的情感であるが、その性格は「志は剛、意は柔」のように正反対であり、意欲、作用、忖度、感応が「意」の具体的な内容である。「知」はつまり「知覚」または「知識」であり、「知覚」は、神経感覚・器官感覚・生命感覚・道徳感覚を意味し、「知識」は認識や見識を意味する。「思慮」はつまり「思」であり、思惟・思索を意味し、派生的「情」においては枢要な働きを担うものであるが、不善を生ずるものと認識されている。
Keywords
天地の情
物の情
草木禽獣の情
人の情
四端
七情
知覚
思慮
Publication Title
Bulletin of Higher Education Okayama University
Published Date
2015-12-30
Volume
volume11
Publisher
岡山大学グローバル・パートナーズ, 岡山大学教育開発センター, 岡山大学言語教育センター, 岡山大学キャリア開発センター
Publisher Alternative
Global Partners, Center for Faculty Development, Language Education Center, Career Development Center Okayama University
Start Page
55
End Page
74
ISSN
1881-5952
NCID
AA12114090
Content Type
Departmental Bulletin Paper
OAI-PMH Set
岡山大学
language
Japanese
File Version
publisher
NAID
Eprints Journal Name
bhe