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ID 204
Eprint ID
204
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タイトル(別表記)
Studies on the Wheat Culture in the Dispersible-Sowing Method : I. The Dispersible-Sowing Method compared with the customary Method
著者
赤松 誠一 岡山大学
抄録
本試験は1964年~1965年に亘り,岡山大学農学部附属農場の畑地圃場において,小麦品種シラサギコムギを供試し,小麦の増収と労働生産性を高める一方法として,小型機械を用いる散播栽培の実用性を確めるために,これを慣行法による条播栽培と比較し,収量と収量構成諸形質の現われ方,小麦の品質,所要労力,経済性などについて考察した.その結果の概要は次の通りである.1)10a当り収量は小型機械による散播は慣行による条播にまさり,それぞれ429.76kg及び358.09kgとなった.このような結果は,前者が後者に対して単位面積当りの穂数が多かったことによるものである.2)穀粒の品質及び粒の充実度は散播は条播よりきわめてわずかに劣る傾向が見られたが,実用的に相違はなかった.3)10a当り所要労働時間は散播は21.66時間,条播は29.21時間となり,岡山県平均の94.5時間,あるいは全国平均の104.2時間に比較して,著しく短縮された.また労働1時間あたり,小麦生産量は,条播12.2kgに対し,散播は19.8kgとなった.4)栽培面積を1haと仮定し,散播法と慣行条播法の経済性を比較すると,前者は後者より34,834円収益が増加する計算となり,その主な理由は前者の所要労力が節約されること,および穀物収量の増加による.またこの仮定に基づいてその分岐点を求めた結果は経営面積30aとなる.すなわち,30a以下の作付では慣行条播法が有利であるが,30a以上になれば面積増大に伴って,条播栽培に対する,散播栽培の収益は増大する。
発行日
1966
出版物タイトル
岡山大学農学部学術報告
出版物タイトル(別表記)
Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
27巻
1号
出版者
岡山大学農学部
出版者(別表記)
Faculty of Agriculture, Okayama University
開始ページ
57
終了ページ
70
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029
資料タイプ
紀要論文
言語
日本語
論文のバージョン
publisher
査読
無し
Eprints Journal Name
srfa