JaLCDOI | 10.18926/bgeou/1556 |
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フルテキストURL | 044_0131_0142.pdf |
著者 | 稲田 利徳| |
抄録 | 本誌第四十三号では、「共感覚的表現歌の発生と展開(上)」と題して、共感覚的表現の結合ケースの検討にはじまり、万葉時代から古今時代を経て新古今時代に到る和歌にあらわれた共感覚的表現歌の発生と、その後の展開の様相をたどってきた。その結果、古代及び平安朝の和歌には、類型的な共感覚が若干散見されるだけであるが、千載を経て新古今頃になると、類型的なものが数を増すだけでなく、それを逸脱した特異なケースの表現も発生してくることが明らかになった。これは、一つに、新古今歌風の生成とも関連していること、漢詩文などの影響にもよることなどが跡付けられた。最後に、歌合の判詞に着目して、この表現に対し、当時の歌人達がどのような反応を示したかも検討した。本論考では、以上の調査結果を受け、さらに新古今以降、この表現がどのように受継され、また、どんな変化をきたしてゆくかを、室町末期頃までの和歌資料で分析してゆきたい。最後に、共感覚的表現の和歌における表現効果などに関しても、私見を述べることにする。 |
出版物タイトル | 岡山大学教育学部研究集録 |
発行日 | 1976 |
巻 | 44巻 |
号 | 1号 |
開始ページ | 131 |
終了ページ | 142 |
ISSN | 0471-4008 |
言語 | 日本語 |
論文のバージョン | publisher |
NAID | 120002306019 |