Annual Reports of Misasa Medical Center, Okayama University volume64
1993-06 発行
薬物のbioavailabilityに影響する因子の一つとして,製剤からの薬物の溶出速度が考えられる。今回,温泉水による薬物溶出への影響を知る目的で,気管支喘息治療薬のアミノフィリン製剤およびテオフィリン徐放製剤の溶出挙動について検討した。溶出試験は第12改正日本薬局方に従い,第1法(回転バスケット法)および第2法(パドル法)で行い,試験液を蒸留水および三朝温泉水として両者の溶出挙動を比較した。アミノフィリン製剤では,10分後まで
温泉水の方が有意に高い溶出率を示した。また,テオフィリン徐放製剤においても温泉水が8時間後まで蒸留水に比べて有意に高い溶出率を示した。以上の結果より,アミノフィリン製剤およびテオフィリン徐放製剤は温泉水により薬物の溶出が促進されることか示唆された。
溶出試験 (Dissolutionte test)
温泉水 (Spring water)
気管支喘息治療薬 (Bronchial asthma therapeutic drug)