情報通信技術の発展や新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機として,組織におけるバーチャルチーム(virtual team; VT)の活用が広がっている。本稿では,VT に関する理論的・実証的知見を整理し,DX 時代におけるチームマネジメントの課題と今後の研究の方向性を検討した。まず,VT の概念定義とその中核をなすバーチャル性の構成要素(地理的分散,テクノロジーの使用など)を確認し,VT の効果性を説明する主要な理論モデルをレビューした。また,VT の構造に内在する「バーチャル性のパラドックス」に着目し,「柔軟性と構造化」や「独立と相互依存」など,相反する要求が同時に存在する持続的な緊張状態と,それに対応するための両立の発想に基づくマネジメントの重要性を考察した。