善隣協会は1934 年から東アジアの政治,経済,文化の指導を図り,中国,蒙古,回教圏民族に対して教育事業を展開した。大東亜共栄圏構想に向け,同協会は善隣高等商業学校を創設し,満州国,中国,蒙彊政権地域で活躍する日本人青年の育成を行った。それとともに,善隣協会は蒙彊政権から日本に派遣される内モンゴル人留学生の受け入れを進めた。善隣高等商業学校はこの留学生のための教育を担った。同校は蒙古留学生特設予科と善隣学寮を設置し,留学生が日本の高等教育機関へ進学する際に必要となる語学や教養の予備教育を担う機関とした。本稿は,先行研究をふまえ,新たな史料を用いつつ,この特設予科と善隣学寮がモンゴル人留学生教育に果たした役割について検討を加えるものである。