既に,いくつかのメディアで報じられているように,2024 年から小中学校の英語で「デジタル教科書」の導入が決まった。行政と企業による社会的な実証実験が繰り返され,今後,他の教科へも,この潮流が続いていくことが予想される。本研究は,戦後教育方法学研究の成果等を手掛かりに,以下の事項について検討するものである。一つ目は「デジタル教科書」の運用を支えるタブレット端末の特性を明らかにすることである。これまで学校に導入されてきたパーソナル・コンピュータとの比較しながら,GIGAスクール構想で普及した「一人一台」端末の新しさについてのべる。次に,これまで授業で使われてきた多様な教材との比較から教科書の良さと限界について概観する。これらの作業を通して,「デジタル教科書」がインストールされることで教材としての役割も有するようになるタブレット端末をもちいる教育実践の成果と課題について考察を加える。
研究論文 (Articles)
〔特集〕教員養成に関する教育学的研究 ([Special Section] Historical and Practical Approaches to Teacher Education and Training)