本稿は,今日の特別支援教育における基本的な用語・概念である「特別な教育的ニーズ」に着目し,その用語・概念について,それが初めて導入された1978 年イギリスの「ウォーノック報告」まで遡って検討した。その結果,「ウォーノック報告」における「特別な教育的ニーズ」概念が,教育におけるハンディキャップに関する従来の捉え方また観点に転換を促すものであったこと,ならびにそれに対応する教育の在り方として,当時の「特殊教育」とは異なる肯定的かつ多様で柔軟な特質をもった「教育的措置」として提起されていたことを明らかにした。