本論は,日本における認知度や人気が近年非常に高まっている17 世紀オランダの画家フ
ェルメールを取り上げ,鑑賞教育の立場からフェルメール・ブームの問題点やフェルメール
復活の理由及びフェルメール絵画の本質を探ろうとするものである。そのためフェルメール
作品と,彼の同時代の風俗画家たちの作品との比較鑑賞を試み,共通点や相違点を発見し,
それぞれの絵画効果を確認する作業を通して,フェルメール作品の造形性を明らかにしてい
く。その過程からフェルメールの今日における高い評価の理由も,自ずと導き出せるはずで
ある。