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ID 14219
JaLCDOI
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11
フルテキストURL
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著者
加計 三千代 岡山大学
抄録
『天工開物』は、中国の産業技術書である.その特徴としては、「まず第-に当時における重要産業の各部門を網羅していること、第二に個々の産業部門についてその生産過程を非常に忠実に書いていること」があげられる。つまり、産業技術の百科全書であり、マニュアルでもあった。さて、『天工開物』が書かれた動機は何だったのだろうか。薮内清氏のF天工開物』の解説には、次のように書かれている。 「宋磨星がこの書を著した動機は、巻首の序文や各部門の初めの文によって窺い知ることができる。すなわちこの書は対象を当時の支配階級であったインテリ層におき、これらの階級の人々が日常生活に恩恵を蒙りながらも生活必需品の生産過程を知らず、時には農家の人々を軽蔑する態度に、軽い憤りさえ感じて書いたことが知られる」 宋応、星は「農家の人々を軽蔑するインテリ層の啓蒙」のために『天工開物』を書いたということである。しかし、私はこの動機に疑問を持った。『天工開物』は、産業技術の百科全書であると同時に、マニュアルでもある。私は、自分の会社勤めの経験から、マニュアル作りの大変さが骨身に沁みていた。だから、産業技術のマニュアルである『天工開物』著述の動機が「インテリ層の啓蒙」と知り、それでは動機として弱すぎると感じたのである。「さらにもっと大きな理由があったに違いない」と直感し、それを解明したいというのが、『天工開物』著述の動機について、私が取り組み始めた動機である。
出版物タイトル
岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要
発行日
2008-11-28
26巻
1号
出版者
岡山大学大学院文化科学研究科
出版者(別表記)
Graduate School of Humanities and Social Sciences, Okayama University
開始ページ
169
終了ページ
190
ISSN
1881-1671
NCID
AN10487849
資料タイプ
紀要論文
OAI-PMH Set
岡山大学
言語
日本語
著作権者
岡山大学大学院社会文化科学研究科
論文のバージョン
publisher
査読
無し
NAID
Eprints Journal Name
hss