このエントリーをはてなブックマークに追加


ID 52449
フルテキストURL
著者
西原 浩美 岡山大学
抄録
コラゲナーゼ処理と臨界点乾燥表面レプリカ法を用いてウサギの網膜内境界膜の超微細構造を透過型電子顕微鏡で観察した.1)この方法は手技が比較的簡便で,再現性が高く,広範囲,かつ鳥瞰図的に網膜内境界膜を観察できる点で優れている.2)網膜内境界膜は基底膜の特徴である網目構造をとり,篩が三次元的に重なり合って広がっていた.3)孔の直径は10~25 nmに集中し,視放部(直径の平均値は13.43 nm),髄翼部(13.59 nm),網膜周辺部(13.40 nm)で,統計学的な部位による有意差は認められなかった.4)網膜周辺部では硝子体線維が密に残り,網膜内境界膜の透見できる部分が非常に少なく,篩の分布が疎でその形も他と多少異なっていた.これらの網膜内境界膜の篩はsize barrierとして網膜硝子体間の物質移動の関門の役割を果すと考えられる.篩の分布が疎で硝子体線維が密な網膜周辺部より網膜後極部,特に視放部で物質移動がより多く行われていると推察した
発行日
1989-04
出版物タイトル
日本眼科学会雑誌
93巻
4号
開始ページ
429
終了ページ
438
ISSN
0029-0203
資料タイプ
学術雑誌論文
関連URL
http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/metadata/4404
言語
日本語
論文のバージョン
publisher
査読
有り