ID | 178 |
Eprint ID | 178
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フルテキストURL | |
タイトル(別表記) | Considerations on the Adaptive Changes induced by the Insecticidal Selection in Experimental Populations of Callosobruchus chinensis.
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著者 |
清久 正夫
岡山大学
佃 律子
岡山大学
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抄録 | この実験においては,アズキゾウムシの実験個体群を毎代DDT,マラソン,スミチオン,バイジットによって実験個体の過半数が死ぬ程度に処理し,その結果生残者およびその子孫の産卵率,生育率,性比,寿命,体重および殺虫剤に対する抵抗性がどのように変化するかを調べ,合わせてそれらの変化の機構についても推論を行なった.そのような殺虫剤処理区の諸性質の変化の大要は以下のとおりである.1)産卵率と生育率とは一般に対照区より低いが毎代処理を重ねて行くとそれが次第に対照区に回復する傾向を示す.2)性比は実験初期世代では雄の割合が多いけれどもその後の世代では雌の割合が目立って多くなる.3)雌成虫の寿命は世代によってしばしば対照区より顕著に長い場合がみられ,雄体重は初期世代では軽いこともあるが後期の各世代では明らかに重くなる.4)殺虫剤に対す抵抗性は世代の進むのに伴い大体一方的に増加をする.5)個体僻の性質の均一性を示すところの標準偏差の変化を調べた結果,産卵率,生育率,雌の寿命,雄の体重の標準偏差はいずれも実験の初期の世代では対照区より増加を示し,その後の世代では減少するという共通点を示している.これに対して抵抗性の標準偏差は世代の進行に対して増加する場合と逆に減少する場合とがある.6)上記各種性質の変化の機構は,変化する性質の種類によりまた同一の性質の中にも異なったものが存在することが推察された.しかしそれらはいずれも殺虫剤処理に対して生き残りの個体や個体群が直接または間接的に反応して,その結果は繁殖や生存に都合のよい方向への変化であると考えられるから一種の生態的適応という解釈を与えた。
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発行日 | 1964
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出版物タイトル |
岡山大学農学部学術報告
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出版物タイトル(別表記) | Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
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巻 | 24巻
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号 | 1号
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出版者 | 岡山大学農学部
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出版者(別表記) | Faculty of Agriculture, Okayama University
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開始ページ | 9
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終了ページ | 18
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ISSN | 0474-0254
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NCID | AN00033029
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資料タイプ |
紀要論文
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言語 |
日本語
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論文のバージョン | publisher
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査読 |
無し
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Eprints Journal Name | srfa
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