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著者 宇垣 匡雅|
抄録 史跡。弥生時代後期後葉に築かれた大形の墳丘墓。直径 49 mの円丘部の両端に突出部を設ける墳形で、推定全長 83 mである。墳丘の斜面には2重の列石を構築し、その間には円礫を敷く。墳頂部には6基の立石と大柱遺構、木柱、建物を設ける。また、墳頂全体に円礫を敷く。円丘部の中央に設けられる中心埋葬は石組排水溝を伴う木槨・木棺で、玉類、鉄剣を副葬する。中心埋葬上に形成された円礫堆からは弧帯文石や土製玉類、人形土製品、特殊器台をはじめとする多量の土器など葬送の祭祀に用いられた多量の遺物が出土した。土器類は特殊器台のほか特殊壺、長頸壺、家形土器、高杯などからなり、墳頂平坦面や墳丘斜面にも配置される。埋葬施設は中心主体以外に墳頂部に設けられた第2主体があるほか、南西突出部にも設けられたと判断できた。発掘調査によって、墳丘墓の構造、また、そこでなされた祭祀の一端を明らかにすることができた。 前方後円墳の成立を考えるうえで、きわめて重要な遺跡である。
発行日 2021-12-01
言語 日本語
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