このエントリーをはてなブックマークに追加
ID 807
Eprint ID
807
フルテキストURL
タイトル(別表記)
Fruit Yield and Quality of Tomatoes as Affected by Rootstocks in Long-term Nutrient Film Tecnique Culture
著者
桝田 正治 岡山大学 Kaken ID publons researchmap
古澤 氏由児 岡山大学
抄録
最近,トマトの養液栽培においても地下部病害の発生が見られるようになって来た.これを回避する方法の一つは土栽培と同様に病害抵抗性台木に接ぎ木することである.本研究は台木KNVF-R3とLS-89に接ぎ木し長期栽培したトマトについて,残存培養液の濃度変化および果実収量と品質を調査し,NFT水耕における接ぎ木の意義について考察したものである. 当初の培養温のNO3-N,P,K,Ca,Mgはそれぞれ園試標準濃度の16,4,8,8,4me/lに設定し,水と養分を補給する時に当初のEC2.4mS/cmに調整して栽培したところ,いずれの台木とも定植2か月後の12月末まではNO3-N,Ca,Mg濃度は極めて安定で,それ以降は徐々に上昇した.一方,PとKは定植後より徐々に低下する傾向を示し2月下旬の第3段果房収穫時には残存培養液中にほとんど存在しなかった.EC値が非常に高くなったためこの生育段階からEC1.2mS/cmに低めて栽培したが,数週間後に一時的に中位葉の葉縁が黄色となるK欠の典型的症状が認められた. 果実の可溶性固形物(Brix°)はいずれの台木も果房段位が上がるにつれて増加した.滴定酸度は中段果房まで除々に低下し,それより上段で再び上昇する傾向を示した.台木問では,可溶性固形物,滴定酸度とも2,3の果房を除いてKNVF-R3台が最も高かった.土栽培では一般に病害抵抗性台木に接ぎ木されると,特に果実の可溶性固形物含量が低下し食味が劣るとされるがNFT水耕ではそのような事は無く,接ぎ木はとりわけ長期栽培における病害回避の点で意味を持つものと考えられた。
発行日
1991
出版物タイトル
岡山大学農学部学術報告
出版物タイトル(別表記)
Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
78巻
1号
出版者
岡山大学農学部
出版者(別表記)
Faculty of Agriculture, Okayama University
開始ページ
17
終了ページ
25
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029
資料タイプ
紀要論文
言語
日本語
論文のバージョン
publisher
査読
無し
Eprints Journal Name
srfa