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ID 840
Eprint ID
840
フルテキストURL
タイトル(別表記)
Selection of Salt-tolerant Callus from Eggplant Hypocotyl
著者
村上 賢治 岡山大学 Kaken ID publons
松原 幸子 岡山大学
抄録
ナスの胚軸の切片を種々の濃度のNaClを添加した培地に植え付けて培養した.0.2% NaCl添加培地において,カルスの生体重は,NaCl無添加培地の2分の1になった(Fig.1).1.0% 以上のNaCl濃度では,カルスは全く形成されなかった.そこで,0.8% NaCl添加培地で形成したカルスを,その後のカルス選抜に用いた.0.8% NaCl添加培地で2年間継代培養すると,活発に増殖するカルスが得られた(これをC-0.8とする).さらに,0.8% NaCl添加培地で形成したカルスを1.0,1.2,1.4,1.6とNaCl濃度を上げた培地に順次継代し,1.6% NaCl添加培地でも生存するカルスを作出した(これをC-1.6とする).対照とするカルスには,NaClを含まない培地で2年間継代培養したものを用いた(これをC-0とする). カルスの色は,C-0は白色であったが,C-0.8およびC-1.6は緑色であった.カルスのかたさは,C-0.8はC-0よりやわらかく,C-1.6はC-0よりかたかった.カルスの乾物率は,C-0とC-0.8は差がなかったが,C-1.6は高かった(Table1).0.8% NaCl添加培地では,C-0の増殖は著しく抑制されたが,C-0.8およびC-1.6の増殖はわずかに抑制されたのみであった(Table2). カルスの耐塩性の安定性を調べるため,C-0.8およびC-1.6を60日間NaCl無添加培地に移殖し培養した後,0.8% および1.6% NaCl添加培地にそれぞれ戻した.60日間NaCl無添加培地で培養後も,C-0.8は耐塩性を示したが(Table3),C-1.6の耐塩性は失われた(Table4). 不定芽は,C-0.8を1.0mg/literBAを添加したNaCl無添加培地に移植すると再生した.本実験の結果,ナスのカルスを0.8% NaCl添加培地で継代培養することにより,耐塩性カルスが得られることが分かった。
キーワード
ナス
胚軸
耐塩性カルス
発行日
1992
出版物タイトル
岡山大学農学部学術報告
出版物タイトル(別表記)
Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
80巻
1号
出版者
岡山大学農学部
出版者(別表記)
Faculty of Agriculture, Okayama University
開始ページ
31
終了ページ
36
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029
資料タイプ
紀要論文
言語
日本語
論文のバージョン
publisher
査読
無し
Eprints Journal Name
srfa