抄録 |
本研究の目的は,ユニットケアに取り組む特別養護老人ホームにおいて,看護職と介護職の協働の状況を明らかにし,協働していく上で両職種が必要とする教育の方向性の示唆を得ることである。看護職2名,介護職3名を対象に自由回答法による半構成的・個別面接を実施した。その結果,協働の状況は, 1)両職種のユニットケアのとらえかたや取り組みは相違し,協働に向けた工夫を行っていたものの,協働関係は成立しにくい状況であった。2)両職種は期待されている役割を担うために教育・研修を受け専門能力を高めたいと考えていた。両職種が協働していく上で必要とする教育の方向性として,以下の示唆を得た。1)利用者や介護職から期待される福祉施設における看護の役割と専門性を高めるために看護職が現実的な課題を解決する力の修得を目指す。2)様々な教育背景と教育ニーズを持つ介護職が知識,技術,ケアの実践力を習得するためには,個人の学習状況とニーズに応じて学習科目を自己管理し自発的な力を高めていく。3)両職種がお互いの専門性を認め,向上を図ることができるようにともに課題を解決し相互作用が継続できる共同研修プログラムによる研修を実施する。
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