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ID 53575
JaLCDOI
タイトル(別表記)
"Qi" and "Taiji" in the Zhu Xi Philosophy
フルテキストURL
著者
孫 路易 言語教育センター publons
抄録
朱子の本体論には解明を要する幾つかの間題がなお存すると思われる。朱子にあっては、根源的な存在、つまり本体は太極であり、太極は即ち理である。これは既に諸家によって指摘されているものであるが、しかし、理の原則を扱った説明には、理は造作しない、或いは造作できないという規定があるのに対して、太極についての論述にはこれと同様な規定はない。これはなぜか。それから、太極は本体で、理は即ち太極であるならば、理は気より先に存在するのは極めて明白な事柄であるが、にもかかわらず朱子の弟子達は「理気先後」について執劫に質問をし、それらの質問に対しての朱子の答えは一様ではない。これはなぜか。朱子にあっては、恐らく、気が三種類の様態で存在していると考えられていたのであろう。即ち、太極としての気(理気未分の状態)、陰陽としての気(気或いは一気)、五行(質)としての気、という三つの存在様態である。朱子のいう気は、実際は陰陽二気を指すと思われる。太極は気ではあるが、その気はまだ理と分離していない。この状態にある太極としての気が形而下的な存在としての陰陽二気と混同されるのを恐れて朱子は、太極は気だと言うのを、なるべく避けようとしたのである。太極としての気は、占める空間的な場がないために、直ちに陰陽二気になってしまうものだから、無形から有形へと変化するという過程において言えば、太極が先に存在するが、実際の生成順序においては、時間的な先後はない。これが故に、朱子の答えはいつも瞭然としないのである。
キーワード
一気
造作
理気先後
理気未分
出版物タイトル
大学教育研究紀要
発行日
2011-12-30
7巻
出版者
岡山大学国際センター, 岡山大学教育開発センター, 岡山大学言語教育センター, 岡山大学キャリア開発センター
出版者(別表記)
International Center, Center for Faculty Development, Language Education Center, Career Development Center Okayama University
開始ページ
49
終了ページ
62
ISSN
1881-5952
NCID
AA12114090
資料タイプ
紀要論文
OAI-PMH Set
岡山大学
言語
日本語
論文のバージョン
publisher
NAID
Eprints Journal Name
bhe