平成29年3月31日,新学習指導要領が告示された。算数科の目標は,「数学的な見方・考え方を働かせ~」の言葉から始まっている。この「数学的な見方・考え方」とは何か。算数科では算数的活動という言葉を数学的活動に変えて,充実を求めている。数学的活動は算数的活動とどう違うのか。新指導要領では「どのように学ぶか」に応えて「主体的・対話的で深い学び」による不断の授業改善を求めている。この「深い学び」とはどのような学びなのか。新しい小学校学習指導要領解説算数編では,「深い学び」の鍵として「見方・考え方」を働かせることが重要であると述べられているが,この2つはどのようにつながっているのか。
「深い学び」とは,算数科の新しい数学的活動(問題解決の過程を遂行すること)の一部である。子どもが考えを振り返り「統合・発展」していく過程のことであり,そこで気付いた「数学的な見方・考え方」のよさを自覚していくことだと考える。具体的な授業場面を通して,「数学的な見方・考え方」と「深い学び」とのつながりを考察する。