ウイルスなどの気道感染により,気管支喘息症状が発症したり,あるいは増悪したりすることが知られている。自験例は65歳の女性で,上気道炎症状に引き続いて,気管支喘息が発症した。臨床症状の軽快とともに気道過敏性・IgE値は低下し,感染による気道過敏性の亢進,IgE型アレルギー反応の機序が関与していると考えられた。これらの結果は喘息患者は気道感染(特にウイルス感染)の予防が必要であり,感染した場合には抗喘息剤とともに抗炎症剤の使用が有用である可能性を示している。
気道感染 (Respiratory infection, Virus infection)
気道過敏性 (Bronchial hypersensitivity)
lgEアレルギー反応 (Allergic reaction mediated by IgE)