エールリッヒ腹水癌細胞を用いアドリアマイシンに対する耐性細胞(ADR耐性細胞)を樹立した。電子顕微鏡を用い撮影写真から細胞質当たりのミトコンドリア(MT)の割合を面積比で求めた。親株に比較して1μg/ml ADR耐性細胞では1.32倍、10μg/ml ADR耐性細胞では1.47倍であった。これらの細胞の呼吸を測定した。耐性細胞の内発呼吸は親株に比較して増加していた。1μg/ml ADR耐性細胞では1.45倍、10μg/ml ADR耐性細胞では1.49倍であり、MTの増加量とほぼ同じ割合であった。これらのことから、細胞が耐性になるとエネルギー消費が高まるために細胞内MTが増加し、その結果呼吸(酸素消費)が増加することが推察された。
アドリアマイシン (adriamycin)
多剤耐性 (multidrugs resistant)
酸素消費 (oxygen uptake)
呼吸 (respiration)
ミトコンドリア (mitochondria)