本研究の目的は,岡山大学教育学部で行われている3 年次の教育実習(主免実習)に関する学生の意識を検討
することであった。そのために,平成25 年度の受講生アンケートより小学校教育コース,中学校教育コースの
学生のデータを分析した。そして,実習前の実習生の実習に向けた取り組みや不安感,実習の充実度,実習前後
の教職志向性の変容,教育実践力を構成する4 つの力について着目した。その結果,(1)実習生の実習に対す
る不安は全体的に高く,特に授業に関する不安が高いが,指導教員や実習生との関係に関しての不安は低いこと,
(2)実習の充実度が高いこと,(3)実習の充実度に関わらず教職への魅力感は実習前後で高まるが,教職志望
度や教員採用試験受験意志は実習の充実度が高い学生が高まること,(4)実習の充実度が高い学生はそうでな
い学生に比べ4 つの力のうち「学習指導力」を除く力において部分的に自己評価が高いこと,が主に示唆された。