明日は我が身に起こるかもしれない災難や厄災、不条理。非常の中の日常の中の非日常という重層性。保養として別の地域に出向いて経験できる「解放」。震災を経験した土地での複雑な経験。東日本大震災被災者に関わり支援した在日コリアンたちを柱に論を進める。「チグハグ」「クラクラ」「ワイワイ」と形容される被災者と支援者の体験を通じて、他者を支援するとはどういうことか、「なりゆき」や「あそび」の概念と絡めながら諭じる。単一民族神話が蔓延する日本で無視されることが多い外国ルーツの人たちの活躍にも目を向ける。人類学者と社会学者である筆者達が共著の中、上記の間題や概念と格闘しながらの試みが本著である。