本論の目的は,校種や専門教科を限定せず,授業の「おもしろさ」を多角的に検討しあう教員研修(以降,「おもしろい」研修会と表記)を通して,創造性の育成を目指す授業の要素に関する仮説を導き出すことである。なお,ここで述べる「おもしろい」とは,これまでの経験やそれに伴う新しい視点,視座が加わることでシェマを同化・調整できる状況をさす。そこで,本論では筆者らが属する岡山大学大学院教育学研究科附属国際創造性・STEAM 教育開発センター(以下,CRE-Lab.と表記)のこれまでの研究と,「おもしろい」研修会に参加した教員へのアンケート結果に基づき,創造性の育成を目指す授業の要素となるキーワードを選定した。その結果,創造性の育成を目指す授業の要素として「想定外」,「場づくり」,「可視化」と,「チャレンジ」が必要であるという仮説を立てた。今後の調査研究では,四つの要素の仮説としての妥当性を検討していく。