Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Studies of mint Breeding VII : Cytogenetical studies on the F1 hybrid which involves M. arvensis L. var. piperascens MAL. and M. rotundifolia (L.) HUD.

Ikeda, Nagamori
Udo, Seiroku
Kishimoto, Osamu
Published Date
1956
Abstract
1. 日本薄荷×M. rotumdifoliaのF1は外部形態的に日本薄荷に近い.又茎葉の香気,繁殖茎の性状等も日本薄荷と変らない.併し花序の形,開花期等若干の形質は両親の中間であつた. 2. F1は葯が退化し,葯中には稔性花粉を含まない.又放任受精の場合殆んど種子を着けない. 3. PMCのMIにおいて,M, rotundiofliaでは12II,日本薄荷では48II,が観察される.F1の体細胞染色体数はその和の60に等しい. 4. F1のPMCのMIにおける2価染色体の出現頻度は2~10で,モードは6,残りはすべて1価染色体であつた.従つて当然花粉4分子形成の際にも,染色体の分配に異常が起り,正常4分子の出現率は6%に過ぎなかつた. 5.12個を薄荷属の基本染色体数とするならば,F1は4ゲノムを日本薄荷から,又1ゲノムをM. rotundifoliaから受けている.このF1のPMCのMIに2乃至10個の2価染色体の出現することは日本薄荷は異質倍数体であり,従つてこれら2価染色体は異親接合と考えられるから)両親間に,1部分相同ゲノムのあることを意味し,M. rotundifoliaの祖先は日本薄荷の祖先の一つであるとの推定を可能ならしめる。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029