Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Studies on the Relaxin in Ruminants : (3) Relaxin content and concentration of arginine in the blood serum of cow.

Wada, Hiroshi
Yuhara, Masataka
Published Date
1955
Abstract
(1)Arginine中のGuanidyl基がリラキシンの生物学的活性に対し,必須要素であることが知られているので,牛の血清中のリラキシンとArginineの量の間の関係をみる為に此の研究を行つた. (2)Arginineの定量としては,坂口反応を行い,その呈色の吸光度を光電光度計により測定した. (3)塩酸Arginineを蒸溜水に溶解し,それについて坂口反応を行い,充分な呈色のための最適の諸条件を決めた.これらの条件によつてArginineの吸光系数を求め,標準曲線を描いた. (4)妊娠の各時期に於ける牛の血清を生理的食塩水で稀釈し,それについて坂口反応を行い波長500mμ,5mmのCuvetteで吸光度を測定した.次式によつて得られる価を血清中のArginine濃度と考えた.これによつて得られた牛の血清Arginineの濃度は1cc.当り1.475~1.895mg,平均1.705mgであつた. mg Arginine/cc.=吸光係数×吸光度×稀釈率但し吸光係数:0.02236 l:5 mm (5)Abramowitz et al.のBioassay methodで検定した牛の妊娠血清中のRelaxin濃度とArginine濃度は全く無関係であつた. (6)これはArginineが血清中に恒常的成分としてかなり多量に存在しているのに対し,血清中の微量のリラキシンの一成分であるArginineは血清中のArginineの極く僅かな一部である.従つてリラキシンの量に於ける僅かな変化は血清の坂口反応に影響しない。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029