1)1973年から1974年にかけて半田山演習林におけるまつくい虫と材線虫の材の中における季節的消長を調査した. 2)マツの樹皮下にはマツノマダラカミキリ,ムナクボカミキリ,マツノシラホシゾウ,クロキボシゾウ,クロコブゾウ,キイロコキクイ,マツノキクイが見られた. 3)マツノマダラカミキリ,キイロコキクイは幹中央部より上部および樹冠内樹幹部に多数みられ,マツノシラホシゾウ,ムナクボカミキリは地際部に多かった. 4)9月から翌年3月までの間に枯れた材の樹皮下でいずれの部位にもマツノマダラカミキリがみられその数は時期的に大差がなかった. 5)材中に生息している線虫をベールマン漏斗法によって調査したところマツノザイセンチュウが検出された. 6)マツノザイセンチュウは9月に枯れたマツでは幹中央より上部の材に多く見られた. しかし翌年3月調査では地際から樹冠内まで線虫の数が平均化する傾向が見られた。