Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Experimental inactivation of bull semen hyaluronidase and preservation of its activity.

Wada, Hiroshi
Published Date
1954
Abstract
(1)牡牛精液のH-ase不活性化並にその阻止に対する実験を行い,酵素作用は粘度法によつて測つた. (2)蒸溜水で稀釈した場合,撹拌,通気,磨砕により精液中のH-aseは極く短時間に不活性化される.また振盪によりても緩除ながら不活性化される.これはH-ase活性基中の易酸化原子団の酸化によるものであろう. (3)卵黄"グルコチトラート"で稀釈して場合は上記処理により不活性化しない.これは卵黄の効果によるものである. (4)ゼラチンヒドロゾル1%,発情牛膣粘液,澱粉糊液(1%)もH-aseの活性保護の効果がある.卵黄やこれらの物質は保護膠質となり,酵素の酸化を防ぐものと思はれる. (5)過酸化水素水(32%)の酵素破壊作用は大であるが,ハイドロキノン水溶液(5%)は撹拌に対しH-ase安定剤としての効果は認められなかつた.ヒテルロン醗精製の御好意を賜つた東大医学部薬学科相沢登氏,精液を供与された岡山県岡山種畜場辛島場長並に技官岡秀氏さらに当教室の湯原正隆,田辺昭両君の御助力に深謝する。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029