変化の激しい時代には、変化する状況に応じて見方・考え方を変える思考力が必要である。社会変化や統計教育の充実から、「データの活用」は新設され、中学校から小学校に代表値なども移行された。しかし、連続データを扱う統計的な問題解決の指導のあり方は未だ発展途上であり、統計的処理の仕方や結論を批判的に思考する授業展開が叫ばれているが、その具体的なアプローチの究明は喫緊の課題となっている。そこで、本稿では第6学年「データ活用」において、統計的処理の方法や結論に批判的な思考を働かせて検討し、自己の判断に信頼性がより高まる授業実践にチャレンジする。このように、統計的な問題過程を通して見出した代表値に批判的思考を働かせることは、代表値の見方・考え方を変えて、より信頼性を高めて考えることに有効であるという示唆が得られた。