Annual Reports of Misasa Medical Center, Okayama University volume64
1993-06 発行
40才~84才(平均64.1才)の患者38例における骨塩量を,ある期間(1~15カ月,平均8.2カ月)をおいて2回,定量的QCT(quantitative computed tomography)法を用いて測定し,その経時的変化によって,骨粗鬆症に対する治療法の効果判定を試みた。その結果,(1)全体として骨塩量に有意の増加は認められなかった。(2)骨強化剤使用例についても骨塩量に有意の増加は認められなかった。(3)運動療法施行者においても骨塩量に有意の増加は認められなかった。以上のことから骨粗鬆症の治療においては,約1年弱の経過では著明な反応は得られにくいものと思われた。ただし,一部の運動療法施行者,骨強化剤使用者において,骨塩量の著明な上昇が認められており,さらに経時的な観察が必要と思われた。