Journal of Okayama Medical Association
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Evaluation of the standard total coli-form MPN test for the biological examination of water pollution

Akatsuka, Kazuya
Mori, Yasumi
Koujima, Izumi
Hirai, Yoshikazu
Hamada, Hiroshi
Abe, Masufumi
Abe, Shigenobu
Kukida, Shozo
Nagata, Akihide
Fujiwara, Kiyoshi
Hayashi, Hideo
Kanemasa, Yasuhiro
90_1309.pdf 428 KB
Published Date
1978-10-30
Abstract
水質検査には化学的検査項目以外に細菌学的検査項目が併行して行われていることは周知の事実である(1,2)).そして我国における現在の水質検査法(3))では大腸菌群測定法が広く用いられている.すなわち上水試験法(4))および工業用水(JIS)(1))ではLB培地-BGLB培地法(LB-BGLB法と略す),下水試験法ではLB培地法(LB法と略す),食品衛生法および公共用水ではBGLB培地法(BGLB法と略す)を行うとされており,これらはいずれも最確数(MPN)を求める方法である.他方乳製品および工場排水(JIS)(2))ではデスオキシコレート培地(DOC法と略す)を用いての集落数を求める方法も行われている.これら諸種の方法のうち,上水試験法および工業用水(JIS)(1))に適用されている.LB-BGLB法で算定される大腸菌群の検討を試みた.LB-BGLB法で算定される大腸菌群とは"乳糖を分解して酸とガスを産生する好気性または通性嫌気性のグラム陰性無芽胞桿菌である”.と定義され,この条件を満す種属はEscherichia,Klebsiella,Enterobacter,Aeromonas,Erwinia,SerratiaおよびCitrobacter等が包含されている.しかしこれらの種属全てが人畜糞便由来のものではなく,水,植物または土壌に由来する種属も含まれていると言うことである.元来,水質検査における汚染指標菌とは人畜糞便由来の菌を検索することを目的としているのであるから,大腸菌群測定結果をそのまま適用して汚染状況や汚染源の判定を行うと誤りを生ずることになりかねない.我々は過去数年間に亘って児島湾(5)),児島湖(6))を初めとして県下河川(7,8))での汚染調査を行って来たが,その結果のなかで化学検査や現況に照して不当と思われるような高値の大腸菌群数を算定することがしばしばあった.そこで各種調査点での現行の大腸菌群測定で得られる測定結果の検討を,本測定法で算定される大腸菌群の種属分類を行うことにより,糞便汚染の指標性の良否について検討することとした.
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489