Pericentrin遺伝子にホモで変異を持つマウス(ホモ変異マウス)では中枢神経系1次繊毛および嗅覚神経細胞の嗅繊毛の低形成が観察された.自発運動量,不安関連行動および海馬歯状回顆粒細胞下層での神経新生は,ホモ変異マウスと野生型マウスの間で有意な差異を認めなかった.一方,ホモ変異マウスは嗅覚機能の低下に加えて抗うつ行動を示したことから,中枢神経系1次繊毛の低形成は抗うつ効果を持つと考えられた.
平成21年度岡山医学会賞(新見賞)受賞論文 (The 2009 Okayama Medical Association Award)