進路選択における先行研究では、進路選択能力を高めることにより進路選択行動が活発化し、そこに進路選択自己効力感が媒介するとより進路選択行動が高まるなど多様な研究成果が報告されてきた(富永, 2009)。先行研究を踏まえて筆者らはこれまでMachida, H., & Hirakimoto, H.(2017)、Machida, H.(2021) などにおいて、大学生などの進路選択自己効力感を高める因子としてのソーシャルスキルの存在を明らかにしてきた。しかしながら2020年以降のコロナ禍においては、大学生は学業の場のみならず、課外活動やアルバイトの場においても対人関係を深める活動が制限されると共に、コミュニケーションの機会が失われ、ソーシャルスキルを高める機会は低減した。筆者らはこのような環境下においてもソーシャルスキルを高める因子としてのEI(感情知性)に着目し、2021年度の調査を基礎に町田・開本(2022)においてEI(感情知性)とソーシャルスキル並びに進路選択自己効力感の関係について明らかにしてきた。その後2021年からの3年に渡る、ソーシャルスキルに加えEI(感情知性)が大学生の進路選択自己効力感にどのような影響を及ぼしているかについて明らかにすることを目的に、大学生を対象にサーベイ調査を継続してきた。結果的にEI(感情知性)はソーシャルスキルを媒介して進路選択自己効力感に正の影響を及ぼすことが3年間の継続調査により明らかになった。
進路選択 (career choice)
進路選択自己効力感 (career choice self-efficacy)
ソーシャルスキル (social skills)
キャリア (career)
EI
感情知性 (emotional intelligence)
CDMSE