Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

衛生技術学科入学者の高校評点,入学試験成績と入学後の学業成績の関係 ―入学者選抜,教育方法の改善に向けた自己点検・評価(1)―

Sakiyama, Junko
Akatsuka, Kazuya
Abstract
1987年4月から1995年4月の9年間に衛生技術学科へ入学した361名を対象に,高校評点,入学試験(学力試験)成績と,入学後の学業成績,退学,留年,臨床検査技師国家試験との関係を調べた。 1)入学者総数は361名で,このうち留年者が39名(10,8%),退学者が18名(5%)であった。退学者の中には,実質入学辞退者が6名,4年制大学へ進路を変更した者が4名いたが,こうした退学者は1992年度までの入学者に多かった。 2)入学者全体では,予定卒業者,留年者,退学者の間で高校評点,入学試験成績には差がなかったが,入学年度ごとにみると,1987,1988年度は留年者が予定卒業者に比べて入学試験の総得点が高い傾向があり,逆に1991年,1993年度は予定卒業者に比べて有意に低かった。 3)高校評点は,データが入手できた1991年度以降一貫して留年者の評点が予定卒業者より低く, とくに1991年,1993年度は留年者の評点が有意に低かった。 4)留年者も含めて,一般教育科目の成績と専門科目の成績との間に有意を正の相関がみられた。 5)高校評点と入学試験成績との間には軽度の相関しかみられなかったが,高校評点および入学試験総合点は入学後の一般教育科目,専門科目の成績と高い正の相関を示した。 6)しかし,個々の入学試験科目の得点は,入学後の成績と相関しないか,軽度の相関しかみられなかった。 7)国家試験不合格者は,高校評点,入学試験総合点,一般科目平均点,専門科目平均点のいずれも合格者に比べて得点が低かったが,有意差はなかった。以上の結果から,短期大学部開設当初は留年者,退学者の中に予定卒業者より学力のある学生がいたが,年を追うごとに入学者の学力が均質化し,学力が不十分なために留年する学生が多くなってきていると言える。一般教育科目の成績と専門科目の成績が強い正の相関を示すことは,1年次の成績がそのまま2,3年次の成績に反映されることを示しており,入学当初の動機付けと勉学意欲の喚起が重要なことを示している。高校評点や学力試験の成績は入学後の成績とよく相関しており,学生選抜の有効な指標であると考えられたが,各入試科目との相関は乏しかったことから,個々の試験科目の問題内容については改善すべき課題があると思われた。
Keywords
高校評点 (school record in high school)
入学試験成績 (result of entrance examination)
入学後の学業成績 (academic record)
留年 (failure in promotion)
退学 (withdrawal from school)
ISSN
0917-4494
NCID
AN10355371