高齢者を対象とした退院指導の評価を行う目的で、70歳以上の外来通院患者を対象として、患者が受けた退院指導の内容、理解度、実践状況の3つの要素について分析を行った。その中から、特に食事指導に焦点をあて在宅療養の視点から退院指導の問題点を考察した。食事指導を受けて退院した患者の約半数は更に指導を希望していた。指示された指導が実践できない患者の理由は、(1)指導不足、(2)意欲の喚起不足、(3)協力者の知識不足が上げられた。患者が希望している指導の内容は、食事療法の指導だけでなく、治療食や老人に適した食事についてであった。特に、栄養価の高い食事への関心が高く、具体的な指導を希望していた。また、看護婦による、社会資源を活用すべきかどうか、訪問看護を適応すべきかどうかの判断が、退院に向けてのアセスメントの内容として問題となった。