Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

低線量放射線の適応応答に関する最近の研究動向とその意義

Abstract
本総説は,低線量放射線に対する生体の適応応答(以下,適応応答)に関してその効果を含む最近の研究動向,さらに放射線防護との関係についてまとめたものである。特にこの分野で最も検討が進んでいる「低線量放射線照射の生物学的影響」に関する国際研究組織(BELLE)での動向を中心に報告するものである。即ち,ヒトと自然放射線との共存などヒトの生活環境と適応応答について,適応応答の短期的・長期的効果など適応応答の効果とその生物学的意義について言及した。次に,適応応答の医療などへの応用の可能性について,また,適応応答と放射線防護との関係についても言及した。ここで,低線量放射線にはヒトへの有益な効果があるとの多くの報告例がある半面,放射線防護の面では微量放射線でも危険とする考え方がその根拠にあることがわかった。このため,今後は更なる低線量放射線の生体影響研究を進めるとともに,両者の間の隙間をなくす現実的・合理的な対応が求められている。
Keywords
低線量放射線 (low dose radiation)
低濃度化学物質 (low dose chemicals)
適応応答 (adaptive response)
放射線ホルミシス (radiation hormesis)
放射線防護 (radiation protection)
ISSN
1345-0948
NCID
AA11403004