本研究の目的は, 1)県下中核病院の地域医療連携,患者支援活動の現状について面接調査を行い,その実態を明らかにすること, 2)その結果をもとに,今後の特定機能病院に求められる地域医療連携や患者支援のあり方を検討する上での参考にすること,の2点にあった。県下10か所の地域中核病院を対象に,地域医療連携業務やその他の患者支援活動に関する質問紙を作成し,面接調査を行った。その結果,医療連携部門の歴史や業務内容は様々であったが,どの病院も地域医療連携部門を設置することで,開業医との連携を強化し,紹介・逆紹介の円滑化を図ろうとしている状況がうかがえた。特に連携業務の中
でも,開業医からの紹介患者を病院にスムーズに受け入れる機能を重視している傾向が見られた。また,すべての対象病院が地域医療連携以外の患者支援活動を行う部門を有しており,医療相談や地域の医療保健施設との連携強化等の業務を主に行っていた。これらの調査結果をもとに,特定機能病院である大学病院に求められる地域医療連携・患者支援のあり方について考察した。
地域医療連携 (collaboration among community-based medical facilities)
患者支援システム (patient support system)