本研究では,中学校教員の児童虐待に関する意識と対応の実態や児童虐待防止教育に関する意識と現状を明らかにすることを目的とし,2018 年に岡山市の中学校6 校の協力を得て,中学校教員を対象に質問紙調査を行い分析した(266 部配布,171 部回収:有効回収率64.3%)。学校現場で被虐待生徒(疑いを含む)に出会った経験のある教員は8 割以上である。
教員の多くは,学校内の当該生徒と関係のある教員や管理職の教員と相談し,外部の関係機関に相談・通告するなどの対応を行っており,適切な対応のためには,生徒及び教員間で相談し合える関係を築き,外部機関との協力体制を築くことが必要であると考えていた。中学生を対象とする児童虐待関連教育を行うことに賛成した教員は9 割,実際に授業を行った経験をもつ教員は2 割弱である。教育の実践においては,児童虐待関連内容を扱うことで生じうる課題などを考慮し,慎重に行う必要があるのは言うまでもないが,教員の多くは,教育を実施することで得られる効果を肯定的にとらえており,本研究では,教育の必要性と実践可能性を確認できた。