ドイツの学習障害特別支援学校に焦点を当て,学習指導要領,検定済教科書などに基づき,
物理教育の現状分析を行った。初等教育段階においては,教科・分野・領域などの枠を持っ
た物理教育などが設定されておらず,前期中等教育段階においては,ほとんどの学校種で教
科,物理があるのとは違って,学習障害特別支援学校では,教科事象科のもとに分野物理が
位置づけられている。物理,化学,生物の合本のようになっている教科書において,物理分
野の節数や頁数は,生物分野より少なく,化学分野より多かった。索引数の違いは,電気>
その他>光>力・機械・運動>音>熱>磁気;無機化学>有機化学>物理化学>その他;人
体>動物>植物>その他>一般生物;であり,生物・化学分野に比して物理分野においてそ
の他が大きな位置を占めているという特徴を見いだした。