JaLCDOI 10.18926/15206
タイトル(別表記) A study of patient's intake of meals provided by the hospital and its relevant factors using a self-administered questionnaire
フルテキストURL 014_1_037_045.pdf
著者 片岡 徹也| 住吉 和子| 川田 智恵子|
抄録 岡山大学医学部附属病院に入院中で,主に消化器系の疾患を持ち手術を受けた患者,主に消化器内で治療中の患者,主に血液内科で治療前・治療中の患者,主に腎・内分泌内科など慢性疾患の治療を受けている患者で,1週間以上入院しており,了承の得られた92名の患者を対象に,自己申告による病院食の摂取量とその関連要因について調査した結果以下の4点が明らかになった。 1.病院食の摂取量が半分以下であると答えた患者は約40%であった。 2.病院食の摂取量は,治療方法,身体症状と強い関連がみられた。 3.病院食の摂取量が多い者は食事の時間を楽しく感じ,食事にも満足していた。 4.食事に対する知識・興味・行動・有益性と病院食の摂取量との間には有意な関係はみられなかった。
キーワード 病院食の摂取量 (patient's intake of meals) 身体症状 (the symptoms in the patient) 食事の満足度 (satisfaction of patient food service) 給食サービスの評価 (evaluation of patient food service)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2003-12-25
14巻
1号
開始ページ 37
終了ページ 45
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307939
JaLCDOI 10.18926/15205
タイトル(別表記) Development of human limb volume meter for evaluation of edema
フルテキストURL 014_1_031_035.pdf
著者 中村 隆夫| 合田 典子| 白井 喜代子| 楠原 俊昌| 山本 尚武|
抄録 周産期医学にとって浮腫の定量評価は重要である。これまでは,測定部位の2箇所の周囲長をメジャーで測り,その変化により浮腫を評価している。また周囲長により容積を推定する方法も提案されている。しかしながら,この方法ではメジャーの測定部位への巻き付け方による誤差や容積を推定する根拠となる測定部位のモデル形状と実際の測定部位の形状との誤差など様々な誤差の影響により,精度の点からは十分とはいえない。そこで,本研究では浮腫評価のための高精度で日常的な使用に適した体肢容積計を開発した。この測定原理はアルキメデスの原理を適用したもので,水を入れた水槽に測定部位を入れる前後の質量変化により,その容積を量るしくみである。まず,この容積計の出力の線形性,分解能,安定性,再現性について検討を行った。この結果,本装置の仕様は最大計測容積25,000cm(3),分解能1cm(3),非直線性0.007%以下となり,非常に高精度であるといえる。また,被験者3名の足部,下腿部の容積の日内変化を測定した結果,各被験者の容積変化の特徴を明らかにすることができ,浮腫評価への応用ができることを確認した。
キーワード 体肢容積計 (volume meter) 浮腫 (edema) アルキメデスの原理 (Archimedes' Principle)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2003-12-25
14巻
1号
開始ページ 31
終了ページ 35
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002308024
JaLCDOI 10.18926/15204
タイトル(別表記) Characteristic of GAFCHROMIC XR TYPE T dosimetry film
フルテキストURL 014_1_023_029.pdf
著者 窪津 真理子| 中桐 義忠| 氏福 亜矢子| 谷口 友季子| 八谷 美穂| 東 義晴| 後藤 佐知子| 丸山 敏則| 青山 英樹| 田原 誠司| 稲村 圭司| 渡邉 敏充| 杉田 勝彦|
抄録 医療の高度化に伴い,近年では長時間のⅩ線透視を行うInterventional Radiology(IVR)手技が頻繁に行われ,副作用としての難治性放射線皮膚障害例の報告が増加している。確定的影響である放射線皮膚障害はしきい値を超えると発症し,線量に依存して障害の程度が重篤となるため,患者被曝線量の測定が重要である。しかし,IVRでは照射部位が多彩で,焦点-皮膚間距離が不安定なため,その測定方法は確立されていない。本研究では,近年IVR等低エネルギー線量測定用フイルムとして開発されたCAFCHROMIC XR TYPE T について性能評価を行い,患者皮膚入射面の被曝線量測定への応用の可能性について検討した。その結果,線量特性,線質特性,ネット値の安定性に良好な特性を示し,臨床に使用可能であったので報告する。
キーワード 患者被爆線量 (Patient Exposure dose) GAFCHROMIC XR TYPE T Radiochromic film Interventional Radiology (IVR) 測定精度 (Radiation dosimetry)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2003-12-25
14巻
1号
開始ページ 23
終了ページ 29
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307331
JaLCDOI 10.18926/15203
タイトル(別表記) A study on the scattering exposure dose in radiotherapy.
フルテキストURL 014_1_015_022.pdf
著者 川辺 睦| 中桐 義忠| 小橋 一輝| 安村 直樹| 山下 剛央| 後藤 佐知子| 丸山 敏則| 澁谷 光一| 杉田 勝彦|
抄録 現代の医療のなかで癌治療において不可欠な存在となった放射線治療。一方,放射線被曝はたとえわずかであってもリスクが伴い,厳しく規制されている。ただし医療被曝はこの限りになく,過去においては癌患者に放射線治療をおこなう際の患部以外の被曝についてはあまり問題視されなかった。これには癌の治療という前提に加え,長期生存の可能性が低く,存命中に晩発障害が発生することが低いと考えられていたからである。しかし,集学的治療が確立した今後の放射線治療においては完治する放射線治療患者が多くなり,治癒後の余命が長くなることが予測される。放射線被曝による確率的影響は閾値がなく,影響は当然現れるであろう。そこで,放射線治療をおこなう際の患者の散乱線被曝線量,治療室内散乱線量,さらに高エネルギー放射線発生装置を取り扱うときに問題となっている中性子を測定した。その結果,測定線量は治療患部外被曝,室内散乱線量ともに無視できない量であることがわかった。中性子については,人体に影響がある線量は検出されなかったが,中性子の存在は室内物品の放射化の可能性を示唆するもので定期的な測定管理が必要である。また,Ⅹ線撮影室用の防護衣による散乱線被曝の低減効果は放射線治療室では無意味であった。
キーワード 散乱線被曝 (Exposure of scattered rays) 中性子 (Neutron) 放射線治療 (Radiotherapy) 確率的影響 (Stochastic effect)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2003-12-25
14巻
1号
開始ページ 15
終了ページ 22
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307504
JaLCDOI 10.18926/15202
タイトル(別表記) Recent trend of research on the nongenotoxic mechanisms of chemical carcinogenesis
フルテキストURL 014_1_001_014.pdf
著者 山岡 聖典| 花元 克巳| 稲 恭宏| 片岡 隆浩| 川辺 睦| 佐野 正展| 氏福 亜矢子|
抄録 本総説は,筆者らが進めている「低線量放射線の健康への影響と医療への応用」に関する研究に資するために調査した,化学発がんの非遺伝毒性的メカニズムの解明に関する最近の動向の概要についてまとめたものである。即ち,非遺伝毒性的発がんにおける細胞増殖,シトクロムP450誘導,酸化的ストレス,および遺伝子発現のそれぞれの役割,並びに量的な応答性について言及した。また,後成的発がんにおけるアポトーシス,およびギャップ結合による情報伝達のそれぞれの役割についても触れた。その結果,非遺伝毒性的な発がん物質の作用の様式とメカニズムやこれによる後成的な影響などについては解明さ れつつあり,特に,これらの発がん物質がゲノムDNAに対し直接的な相互作用,突然変異,修飾などを行う発がん物質とは機能的に異なった作用をすることが明らかになった。また,これらは放射線発がんなど低線量放射線の健康への影響などについて研究する上で,重要な知見となっていることもわかった。
キーワード 化学発がん (chemical carcinogenesis) 非遺伝毒性 (nongenotoxicity) 後成説 (epigenesis) 酸化的ストレス (oxidative stress) ギャップ結合 (gap junction)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2003-12-25
14巻
1号
開始ページ 1
終了ページ 14
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307816
著者 岡山大学医学部保健学科|
発行日 2004-03-31
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
14巻
2号
資料タイプ その他
JaLCDOI 10.18926/15200
タイトル(別表記) Home caregivers of the elderly: their motivation andpositive feedback in caregiving
フルテキストURL 014_2_141_155.pdf
著者 高原 万友美| 兵藤 好美|
抄録 高齢者の在宅介護者7名に対して質問紙を用いた面接を行い,介護継続理由と介護より得たものの二側面について尋ねた。その中で特に,それらがどのように介護者と高齢者のQOLを向上させるかに注目した。介護継続理由については,愛情と家族の杵が最も重要であり,被介護者の健康の悪化が,しばしば在宅介護を中断させていた。また家父長制に基づく性的役割が,介護者の義務感や伝統観に強く影響していることも明らかになった。介護が始まった時期における被介護者からの希望や宗教的影響は,継続理由とはならないことが分かった。また,介護から得るものが多いと感じていた2人の嫁は,介護に高い意欲を持っており,介護が価値ある体験であるという認識が,介護の動機付けを行っている可能性が示唆された。
キーワード 在宅介護者 (home caregivers) 高齢者 (the elderly) 介護継続理由 (motivation) 介護から得たもの (feedback in caregiving)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-03-31
14巻
2号
開始ページ 141
終了ページ 155
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307169
JaLCDOI 10.18926/15199
タイトル(別表記) Development of stepping measurement device for evaluation of and training in walking
フルテキストURL 014_2_135_139.pdf
著者 中村 隆夫| 小西 均| 辻 博明| 楠原 俊昌| 山本 尚武|
抄録 日常生活で杖をついたり,老人車などを押したりなど歩行能力の低下した人に対する簡便・安価で効果的な歩行訓練方法,訓練機器はない。歩行能力の低下した人が体の移動を伴う歩行訓練をする場合,常に転倒の危険性を伴うために,介護者が必要であったり,転倒の不安のために動作が消極的になり,訓練の効果が半減する。これに対して,ゆっくりとした足踏みは歩行能力の低下した人に対しては下肢筋力の強化,バランス訓練となり,歩行能力を向上させる。しかし,足踏みが適切におこなわれているか,訓練の効果の程度についての評価ができなかった。そこで,歩行能力の評価・訓練のために足踏み状態をモニタすることができる足踏み測定器を開発した。本装置は,足踏みをするマット2枚およびノートパソコンなどから構成されている。足踏み中における両脚立脚,左右それぞれの片脚遊脚の状態をマットスイッチのON,OFF状態にて判断する。測定後,歩数,平均両脚立脚時間,平均片肺立脚時間などの解析・表示を行う。最後に歩行能力が低下した被験者の足踏みを測定して,杖歩行など日常の歩行状態と足踏みの状態との関係を示し,足踏み測定の有効性についても検討した。
キーワード 足踏み (stepping) 歩行訓練 (walking training) 歩行能力 (walking ability) 高齢者 (elder people)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-03-31
14巻
2号
開始ページ 135
終了ページ 139
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307195
JaLCDOI 10.18926/15198
タイトル(別表記) Measurement of sampling time in MRI and reconstruction of MR image
フルテキストURL 014_2_121_128.pdf
著者 加藤 博和| 花元 克巳| 川崎 祥二| 澁谷 光一| 黒田 昌宏| 小山 矩|
抄録 MRIにおいてk-spaceを構築するためにはエコー信号をサンプリング時間に従って採取する必要がある.このサンプリング時間を測定するために,FOV(field of view)の左半分にファントムを置くことにより階段関数となるスピン分布を生成した。得られたエコー信号を,階段関数をフ-リェ変換したときに得られるフ-リェ係数と比較することによりサンプリング時間を求めた。得られたサンプリング時間を用いて,MRI MULTI-TEST PHANTOMをMRI装置でスキャンすることにより得られたエコー信号をサンプリングしk-spaceを構築した。このk-spaceをフ-リェ逆変換することによりMRI MULTI-TEST PHANTOMの画像を再構成することができた。
キーワード MRI フーリェ変換 (Fourier transform) 画像再構成 (reconstruction) サンプリング時間 (sampling time)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-03-31
14巻
2号
開始ページ 121
終了ページ 128
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307209
JaLCDOI 10.18926/15197
タイトル(別表記) An overview of the trend of research in nursing patients with uterine cancer who had undergone surgery and future research subjects
フルテキストURL 014_2_113_120.pdf
著者 秋元 典子|
抄録 本研究の目的は,1994年~2003年9月までに発表された手術を経験する子宮がん患者の看護実践領域における研究について,文献件数および研究領域の観点からその動向を概観し,今後の研究課題を明らかにすることである。JMED,CINAHL,MEDLINEの3つを文献情報データベースとして用い,「子宮がん」and「看護」and「子宮摘出術」および「uterine cancer」and「nursing」and「hysterectomy」の検索式により文献集合を絞り,原著論文に限って検討した。その結果,以下の9つの課題, 1)行った研究を誌上発表する 2)子宮がんの早期発見・予防,ターミナル期に焦点を当てた研究 3)術後合併症に注目した研究 4)患者のもつ力に注目し,それを引き出し,高めていくことを支援する看護に関する研究 5)術後のセクシュアリティに関連した研究 6)退院指導プログラムの開発およびクリティカル・パスの作成 7)子宮がん患者の自己効力感に関連した研究 8)cancer survivorに関する研究 9)介入研究,が明らかになった。
キーワード 子宮がん患者 (uterine cancer) 看護研究 (nursing research) 子宮摘出術 (hysterectomy) 文献概観 (literature review)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-03-31
14巻
2号
開始ページ 113
終了ページ 120
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307557
JaLCDOI 10.18926/15196
タイトル(別表記) Nursing Education for a Gender-equal Society* - The Situation of Male Student Nurses -
フルテキストURL 015_1_039_049.pdf
著者 合田 典子| 大室 律子| 西山 智春| 鈴木 良子| 布施 千草| 松本 幸枝|
抄録 題目:男女共同参画社会における看護教育―男子看護学生の動向について― 1975年の国際婦人年以来,カイロ宣言でのリプロダクテイブヘルス/ライツ,北京宣言等次々に男女差別の撤回と女性の自立をめざした運動が推進されてきた。この女性のエンパワーメント運動の中で,我が国は労働基準法,男女雇用機会均等法,育児休業法等の制定および改正を経て,1999年6月「男女共同参画社会基本法」の施行に至った。以来,国を挙げて男女共同参画社会の構築に取組んでいる。看護界にあっては昭和23年に制定された保健婦助産婦看護婦法における看護職者は女子とされ,男子には国家免許を得る正式な資格が無かった。やがて,法の改正とともに男性看護職者の進出が可能となってきた。しかし,半世紀を経て,なお男性看護職者の占める割合は低く,看護界における男女共同参画の現状は進んでいるとはいい難い。男性看護職者養成の沿革と現状を概観し,その問題点と課題を検討することとした。
キーワード 男女共同参画社会 (Gender-equal society) 男子看護師学生 (male student nurse) 看護教育 (nursing education)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-12-15
15巻
1号
開始ページ 39
終了ページ 49
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307785
JaLCDOI 10.18926/15194
タイトル(別表記) The significance of therapy in a private room to patientsin acute psychiatric wards
フルテキストURL 015_1_029_037.pdf
著者 豊田 由起子| 三木 明子| 藪下 祐一郎| 鬼塚 愛彦|
抄録 本研究は,全個室病棟で療養する精神疾患患者を対象に,患者自身が考える個室環境の意味を明らかにすることを目的とした。個室に2週間以上療養し,インタビューの協力が得られた患者は7名であった。患者にとっての個室環境の肯定的意味は,自分だけの空間を確保できることから,他者との距離の調節の場,プライバシーが保護される場,自由裁量が拡大される場であると捉えていた。また,休養や睡眠が確保できる場,症状をコントロールできる場であるという治療的意味や,個室を自己洞察の場ととらえ,他者の影響を受けずに自分らしさを再獲得するためという意味が示された。一方,個室環境の否定的意 味として,寂しさや不安が挙げられ,話しかけられる存在を身近に見出しにくい個室においては,わからないことや不安なことを尋ねにくく,人間関係を築くきっかけがつかみにくいことが示された。
キーワード 精神疾患 (mentally ill) 患者 (patients) 個室 (private room) 精神科急性期病棟 (acute psychiatric ward)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-12-15
15巻
1号
開始ページ 29
終了ページ 37
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307586
JaLCDOI 10.18926/15193
タイトル(別表記) Analysis of Problems in Family Nursing at Intensive Care Unit of O University Hospital
フルテキストURL 015_1_023_028.pdf
著者 渡邉 久美| 竹内 加恵| 岡野 初枝|
抄録 O大学病院のICUにおける家族看護のあり方を検討するため,過去の記録から入室患者の特性と家族の状況を把握し,課題を明らかにした。128例の看護記録を資料に,患者の入室理由,入室期間,転帰の状況を分類し,入室期間別の家族の言動等から,家族看護の必要性について検討した。また,家族に対する看護実践を,家族に関する情報の記載の有無から評価した。その結果,ICU入室患者の9%が死亡退院で,そのうち受け持ち看護師の決まっていない入室後3日以内に死を迎えた患者の家族へのフォローが充分に行えていなかったこと,また,14日以上の長期入室患者の家族には,全事例に家族に関する情報が 記載されており,看護師が家族の気持ちや疲労感,患者への回想などの語りを捉えていたことが明らかとなった。今後は,短期間で死亡の転帰となった家族へのグリーフケアや,長期入室患者の家族に対する継続看護の評価が必要である。
キーワード ICU (Intensive Care Unit) 家族看護 (Family Nursing) クリティカルケア (Critical care)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-12-15
15巻
1号
開始ページ 23
終了ページ 28
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307719
JaLCDOI 10.18926/15192
タイトル(別表記) Stressors and Coping in Hemodialysis Patients
フルテキストURL 015_1_015_021.pdf
著者 原 明子| 林 優子|
抄録 本研究の目的は,血液透析患者のストレッサ-と対処について明らかにすることである。対象者は岡山市内の二カ所の病院において,研究参加に同意が得られた外来透析患者65名であり,透析ストレッサ一,対処,人口統計学的や医学的な情報などについて質問紙法による調査を行った。その結果,以下のようなことが明らかになった。(1)透析ストレッサ-は「将来への不安」が最も高く,そして「治療時間の長さ」や「身体的活動の制限」などの精神的ストレッサ-が続いていた。(2)対処は,消極的回避的および積極的前向き対処が問題解決的対処よりも上位を占めていた。今日、医学や透析機器などの改良で透析治療は 進歩を遂げてきているが,透析患者は将来への不安や時間の拘束などの制約や負担を抱えている。しかしながら,そのようなストレスフルな状況に対して,運命として引き受けるという感情を持ちながらもその思いをマイナスとしてだけに捉えるのではなく,前向きに対処をしていることが伺えた。
キーワード 血液透析患者 (Hemodialysis patients) ストレッサー (stressor) 対処 (coping)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-12-15
15巻
1号
開始ページ 15
終了ページ 21
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002308007
JaLCDOI 10.18926/15191
タイトル(別表記) Antifungal effect of "Mokusaku-Eki" against Trichophyton mentagrophytes and Trichophyton rubrum
フルテキストURL 014_2_129_133.pdf
著者 渡邉 久美| 住吉 和子| 金子 典代| 横田 憲治| 川田 智惠子|
抄録 足白癬は糖尿病患者で合併しやすく,高齢者にも多発する。近年,白癬菌に対する木酢液の抗菌作用が知られており,この最適有効濃度を明らかにするため本研究を企画した。白癬菌はTrichophyton mentagrophytesとTrichophyton rubrumの2菌種を用い,木酢液は市販品を用いた。発育抑制テストは終濃度2,3,4,5%の木酢液を含んだ寒天平板希釈法で行った。殺菌テストは2.5,5,10%溶液を胞子と接触後,寒天平板培地に接種し,菌の発育の有無を観察した。発育抑制作用は,両菌種とも3%以上で7日培養後の菌糸の発育は見られなかった。殺菌作用は, T. mentagrophytesでは10%,5%においては6時間接触で,2.5%においては24時間接触で菌糸の発育が見られず, T. rubrumでは,10%以上においては24時間接触で,5%においては48時間接触で菌糸の発育が見られなかった。足浴等の看護ケアに木酢液を応用するためには,今後より短時間の接触で効果が得られる方法の検討が必要である。
キーワード 木酢液 (Mokusaku-Eki) 白癬菌 (Trichophyton) 発育抑制作用 (Antifungal effect) 足部白癬 (Trichophytosis)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-03-31
14巻
2号
開始ページ 129
終了ページ 133
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307493
JaLCDOI 10.18926/15190
タイトル(別表記) The effect of Coicis semen and Rhizopus oligosporus-fermented Coicis semen (tempeh) on serum cholesterol in the rat
フルテキストURL 015_1_009_014.pdf
著者 岡本 基| 臼井 真一| 岡崎 三代|
抄録 はとむぎ(Coicis semen)をテンペ菌(Rhizopus oligosporus)で発酵したはとむぎテンペ(テンペ)の血清コレステロール代謝に対する作用を検討した。生後12週齢のSprague-Dawley系雄ラットに市販固形飼料(コントロール群),はとむぎ混合飼料(はとむぎ群),テンペ混合飼料(テンペ群)を投与し,2,6,18週間後に高速液体クロマトグラフィー法で血清コレステロールを測定した。体重増加,総コレステロールはいずれの時点でも3群間に差がなかったが,テンペ群では投与前と比較して2,6,18週間後にLDLコレステロールが有意に低下し,LDLコレステロール/HDLコレステロール比も2,18週間後に有意に低下した。テンペ群はコントロール群と比較してもLDLコレステロールとLDLコレステロール/HDLコレステロール比が低く,はとむぎ群でも低い傾向がみられたが,有意差はなかった。以上から,テンペがコレステロール代謝改善作用をもつことが示唆された。
キーワード はとむぎ (Coicis semen) はとむぎテンペ (Rhizopus oligosporus, tempeh) コレステロール (cholesterol) ラット (rat)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-12-15
15巻
1号
開始ページ 9
終了ページ 14
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307933
JaLCDOI 10.18926/15189
タイトル(別表記) Quantitative evaluation method of swallowing hypofunctionby aging using Impedance Pharyngography (IPG)
フルテキストURL 015_1_001_007.pdf
著者 楠原 俊昌| 中村 隆夫| 森 恵子| 山本 尚武| 白川 靖博| 猶本 良夫|
抄録 インピーダンス咽頭図(Impedance Pharyngography, 以下IPG)は嚥下活動中の頸部電気インピーダンスを測定するもので,嚥下機能評価を簡便かつ無侵襲に行うことができる手法である。IPG波形は嚥下機能を反映するものであるが嚥下機能の減退による波形への影響はその原因により様々である。すなわち嚥下機能の状態が異なる被験者のIPG波形を直接比較・診断することは測定者の主観に依存することになり客観性に欠ける。本研究では,まず青年健常者のNormal IPGをもとに嚥下機能が反映される波形の特徴を評価するパラメータとして,咽頭通過時間,インピーダンス変化率,類似度,嚥下音タイミングの4つを採用し,IPCを定量的に評価する手法を提案した。また,この評価法を高齢者のIPGに適用し,青年健常者に比べて嚥下活動に関与する器官が円滑に活動を履行する能力に減退が生じる様子を定量的に示した。
キーワード 嚥下活動 (swallowing) 嚥下障害 (dysphagia) 生体電気インピーダンス (bio-electrical impedance) インピーダンス咽頭図 (Impedance Pharyngography (IPG)) 嚥下機能評価 (assessment of swallowing function)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2004-12-15
15巻
1号
開始ページ 1
終了ページ 7
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307994
著者 岡山大学医学部保健学科|
発行日 2005-03-31
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
15巻
2号
資料タイプ その他
JaLCDOI 10.18926/15187
タイトル(別表記) Investigation about the use of mental illness patients at visiting nursing stations in O prefecture
フルテキストURL 015_2_071_076.pdf
著者 渡邉 久美| 住吉 和子| 森本 美智子| 岡野 初枝|
抄録 精神疾患患者への訪問看護における問題を検討する基礎資料とするため,O県の訪問看護ステーションにおける精神疾患患者の利用状況と訪問看護師の利用者への社会資源導入経験の有無を明らかにすることを目的として調査を実施した。調査は2003年9月に質問紙郵送法により実施した。対象とした126施設のうち,回答の得られた64施設(回収率50.8%)の1か月間の利用者総数は2,471人であり,そのうち精神疾患患者は743人(30.1%)で,精神疾患のうち痴呆の占める割合は488人(65.7%)であった。施設単位では精神疾患患者の利用は60施設(93.8%)にあり,疾患の内訳は痴呆が57施設,うつ病が28施設,統合失調症が17施設等であった。また,訪問看護ステーション開設時からの精神疾患患者への社会資源の導入経験は約半数の34施設(53.1%)にあった。少数の訪問看護師からは,精神疾患患者への対応の困難さを感じていること,精神科看護に関する情報を求めていることなどの意見があった。訪問看護における精神科看護のニーズは今後も高まることが予測され,専門的技術の向上や地域における専門施設との連携が求められる。
キーワード 社会資源 (Social resource) 訪問看護 (Visiting nursing station) 精神疾患 (Mental illness) 実態調査 (Survey)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2005-03-31
15巻
2号
開始ページ 71
終了ページ 76
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307215
JaLCDOI 10.18926/15186
タイトル(別表記) Investigation of the tracheal suctioning-related microbialcolonization in home care patients with tracheotomy
フルテキストURL 015_2_063_069.pdf
著者 渡邉 久美| 菅崎 仁美| 千田 好子| 岡本 基|
抄録 気管内吸引を必要とする在宅療養患者に対し,安全で経済的な感染管理方法を検討するため,在宅ケアにおける気管内吸引の実態と,吸引関連物品の細菌学的調査を実施した。対象は気管切開がされ,医療依存度の高い患者3名であり,気管内吸引は全て患者の妻が行っていた。吸引後のカテーテルは外側をアルコール綿で清拭し,内腔を洗浄水で洗浄していた。カテーテルは,0.05%グルコン酸クロルヘキシジンに浸漬あるいは,清潔な乾燥容器に保管されていた。カテーテルの交換時期は,1.5日から7日とばらつきがあった。カテーテル,洗浄水,浸潰液等の試料を,一般細菌,黄色ブドウ球菌,大腸菌群の寒天培地で培養したところ,各試料から一般細菌,黄色ブドウ球菌,大腸菌群が検出されたが,カテーテルの保管方法の違いによる細菌汚染に差は認められなかった。また,気管切開部ガーゼからは,一般細菌,黄色ブドウ球菌,大腸菌群が検出された。これらより,気管内吸引カテーテルおよび,洗浄水や浸溝用消毒液の清潔管理の必要性が示唆された。
キーワード 感染管理 (Infection control) 気管内吸引 (tracheal suctioning) 在宅ケア (home care) 介護者 (caregiver)
出版物タイトル 岡山大学医学部保健学科紀要
発行日 2005-03-31
15巻
2号
開始ページ 63
終了ページ 69
ISSN 1345-0948
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002307656