岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-1323112021大学生におけるインターネット使用態度,インターネット依存傾向とインターネット使用開始時の使用状況との関連307317ENMotokoMIYAKEGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/61582大学生を対象として,インターネット使用態度,インターネット依存傾向と,インターネ ット使用開始時の使用状況との関連について,質問紙調査を用いて検討した。調査に参加した大学生 95 名のうち,インターネットの使用開始が小学5,6年生から中学3年生までの間であった 60 名を対象に分析を行った。分析の結果,主として以下のことが明らかとな った。使用開始時の使用実態が望ましいものであるほど大学生時点でも安全な使用ができている傾向があり,また,使用開始時の使用実態が望ましくかつ自律的に管理できているほど大学生時点においてインターネット依存に陥るリスクは低い可能性が示唆された。これらのことから,子どものインターネット使用をめぐる問題に関して,使用実態の望ましさだけでなく,自律的か他律的かという観点からも使用状況を捉えることの重要性が示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019小学3年生を対象としたピア・サポートトレーニングの効果の検討 : 協同学習のための下地づくりをめざして229242ENMotokoMiyakeYoshihiroOkazaki10.18926/CTED/56554 本研究では,学校ぐるみで協同学習の取り組みを進めている小学校の3年生児童を対象として,協同学習の下地づくりを行うことをめざしたピア・サポートトレーニングを実施し,聞き方スキル,援助要請行動,サポート入手可能性,サポート提供可能性,攻撃性の観点からその効果を検討することを目的としていた。トレーニングの前後とフォローアップの3時点での効果測定について分析を行った結果,サポート入手可能性においてはトレーニングの効果を示唆する変化がみられた。一方,攻撃性においては,トレーニングによって攻撃性が上昇していることが示され,トレーニングに参加した児童について,イライラ感情や攻撃性への気づきを高めることはできたものの,対処方法の習得,活用,定着までには至らなかったと解釈された。トレーニングの回数,実施期間,およびトレーニング内容の般化に関して改善することで,より明確な効果が得られると考えられる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019クリエイティブ・ラーニング・スパイラルに基づいた紹介動画の制作が子どもの創造性と情報モラルに与える効果125133ENYoshihiroOkazakiMotokoMiyake10.18926/CTED/56547 クリエイティブ・ラーニング・スパイラルに基づいたワークショップが子どもの創造性・情報モラルに与える効果について検討した。ワークショップに参加する群 (介入群) とゲームで遊ぶ群(統制群) の2群間で比較した結果,アイデアの産出数と情報モラルに関する記述数の差は有意ではなかった。また,クリエイティブ・ラーニング・スパイラルの各段階の行動に対する自己効力感を調べた結果,介入群の自己効力感は有意に上昇していた。さらに,クリエイティブ・ラーニング・スパイラルに基づいた創造性を育む方法について考察し,子ども間の自由な関わり合いが必要であることを示唆した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019小学校における児童のいざこざの分類と教師の介入解決方略としてのミディエーションの有効性3346ENTazukoAokiAyakaYamazakiYayoiOkumuraMotokoMiyakeMasanobuKimura10.18926/CTED/56539 子どものいざこざは一般的には起こらないほうがよいと考えられている。他方で,子どもの社会性の発達を促すポジティブな面も指摘されている。本研究では小学校におけるいざこざの実態を調べ,有効な教師の介入解決方略を明らかにすることを目的とした。研究1では,教育実習を終えた大学生126名に質問紙調査を実施し,いざこざの内容を分類した結果,7種が見出された。研究2では,小学校の学級担任93名に,7種のいざこざ場面のシナリオを提示し,どのような介入解決方略をとるか尋ねた結果,ミディエーション(双方の子どもから話を聴き,子どもから解決策を引き出す方略)が,7つのうち5つの場面で最も多くとられていた。研究3では,経験豊富な管理職39名に,より解決が難しい3場面での介入解決方略について尋ねたところ,全ての場面でミディエーションが最も多かった。以上の結果から,小学校における教師のミディエーションの有効性について論じた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018中学1年生を対象としたピア・サポートプログラムの効果の検討 : 小学6年生への移行支援をピア・サポート活動に位置付けて123133ENMotokoMiyakeGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/55812 本研究では,中学1年生を対象として,「小学校訪問」をピア・サポート活動として位置付けたピア・サポートプログラムを実施し,社会的スキルおよび自己有用感の観点からその効果を検討することを目的としていた。質問紙による効果測定を行い,分析の結果,社会的スキルおよび自己有用感のいずれにおいても,ピア・サポートプログラムの前後,および,ピア・サポートトレーニングとピア・サポート活動の前後で,統計的に有意な上昇が示された。また,事前の社会的スキルと自己有用感の評定値が比較的低めの生徒においてのみ,ピア・サポートトレーニングの前後で上昇的変化が生じたことから,ピア・サポートトレーニングからピア・サポート活動へと移行するピア・サポートプログラムの形式は,社会的スキルと自己有用感の低めな生徒にとっては特に有用であると考えられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学大学院教育学研究科Acta Medica Okayama1883-24231652017病気の子どものための「合理的配慮」に対する教員の意識 : 学校種別に基づく分析を中心に3341ENMunehisaYoshitoshiOkayama University Graduate School of EducationMotokoMiyakeOkayama University Graduate School of EducationYukikoIshibashiGraduate School of Education, Hyogo University of Teacher Education10.18926/bgeou/55291 本研究では,病気の子どものための「合理的配慮」に対する教員の意識の傾向を把握し,インクルーシブ教育の展開に向けた課題を明らかにすることを目的とした。2つの研修会(2016 年8月)に参加した小・中学校および特別支援学校の教員(n = 127)を対象に,@新たな動向の把握状況(障害者権利条約および医療的ケア通知,2件法),A「合理的配慮」に関する「基本理念」(2項目),「教育内容・方法」(5項目),「支援体制」(5項目)に対する意識(4件法)について質問紙調査を実施した。結果,近年の動向に関する情報は浸透しつつあるが,小学校を中心に未だ十分ではなかった。また,「合理的配慮」の提供に関しては,全体的に中学校における平均値が比較的に低い状況があった。年齢および勤務年数についても,「本人の病状理解に基づく生活指導」および「急な病状の変化への対応」に対して,若く,経験が少ない教員の平均値が低いことが明らかになった。中学校における組織的な支援体制の構築に期No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学大学院教育学研究科Acta Medica Okayama1883-24231612016小学校における仲間による対立解消に焦点を当てた ピア・サポート・トレーニングの効果の検討1116ENMotokoMiyakeSayakaSezakiKazukiMatsuura10.18926/bgeou/54227本研究では,小学校4年生を対象に,仲間による対立解消スキルに焦点を当てたピア・サポート・トレーニング(計10回)を約半年間にわたって実施し,その効果の検討を行った。対象となった児童は各学年単学級の小規模校に在籍しており,対人関係の固定化が課題視されていた。社会性,対立解消スキル,サポート入手可能性,サポート提供可能性,学級への適応感について,ピア・サポート・トレーニングの前後でどのような変化がみられるかとの観点からトレーニングの効果を検討した結果,社会性と対立解消スキルにおいて統計的に有意な平均値の上昇がみられた。また,各変数のトレーニング前の測定値により高群・低群別に変化を検討したところ,下位群においてはすべての変数について上昇が確認された。このことから,特に実施前の測定値の低い参加者にとって効果が大きいことが示された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016中学校の職場体験学習のためのSSTプログラムの実践160169ENKazukiMatsuuraMotokoMiyake10.18926/CTED/54032 職場体験学習の効果をより高めるための一つの方法として,事前に対人スキルやコミュニケーションスキルを身に付けるための学習を行っておくことが必要であると考え,職場体験学習の事前学習において,3回のソーシャルスキルトレーニングと異年齢交流活動を実施した。事前学習が始まる前の職場体験学習に対する期待と不安を変量としたケースのクラスタ分析により,3つのクラスタが得られた。第1クラスタは期待が低く,不安は中程度あるクラスタと考えられる(n=21)。第2クラスタは期待が高く,不安が低いクラスタと考えられる(n=20)。第3クラスタは期待と不安の双方が高いクラスタと考えられ,全体の約半数がこのクラスタに属していた(n=41)。ソーシャルスキルトレーニングの実践を通して,第3クラスタの不安の減少が有意にみられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.