岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-3771601989裏表紙・英文目次ENInstitute for Environmental Medicine, Okayama University Medical ScoolNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-3771601989投稿規定ENInstitute for Environmental Medicine, Okayama University Medical ScoolNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-37716019891988年(1月〜12月)業績集136152ENInstitute for Environmental Medicine, Okayama University Medical ScoolNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-3771601989看護部活動報告108110ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-3771601989表紙・目次ENInstitute for Environmental Medicine, Okayama University Medical ScoolNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989三朝温泉地の気候について(第11報)111135ENFumieMatsubaraHiroiEndoMichiyasuSudoYoshiroTanizakiわれわれは1956年以降,三朝温泉地の気候要素について観測を行ってきているが,今回は第11報として,ひきつづき1987年4月1日から1988年3月末日までの1ヵ年の気象観測の資料を報告することとした。なお1985年4月1日以降は自動記録装置が備えられたので,今回の資料はすべてこの自動記録装置によるものである。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989看護部におけるパソコン活用(第一報)勤務表作成プログラムの試作103107ENMutsuoNakaiJunkoYoshidaKikukoInagaki10.18926/19834No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-3771601989当院における大腸検査の検討 ―過去3年間のデータの分析―100102ENTsuneoAkiyamaMutsuoNakaiKojiOchi10.18926/19832No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989腟擦過細胞診で確認されたびまん浸潤型大腸癌9499ENShunichiHiraiIchioSuzukaShinhachiMorisueMitsuhiroSodaTeruoTokunoYoshiakiKomotoMitsuruSunakawaHidenoriYorozu10.18926/19828原発性びまん浸潤型大腸癌は,全大腸癌症例の1%未満と比較的稀な疾患であり,一般大腸癌症例とくらべてその予後の悪いことで知られている。その原因の一つとして,確定診断の困難さがあるが,これは粘膜病変の欠如のために生検で確論がつきにくい点にある。我々の症例は,43歳の女性で,横行結腸に原発した症例である。腹痛を訴えて入院後,急速にイレウス状態となり,注腸検査で横行結腸の高度な狭窄を認めた。大腸ファイバースコープは腹痛のため病変部まで届かず,膣擦過細胞診およびダグラス窩穿刺腹水細胞診にて腺癌細胞を確認できた。手術所見はP(3)H(0)S(3)N(4)で,姑息切除に終わった。本症は手術時の進行度がきわめて高度であるので,本症を疑って確診のつかない症例には,上記のような細胞診も試みてみるべきと思われる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-3771601989膵炎の分類 ―その変遷と最近の考え方―8393ENHideoHaradaJuntaroTanakaKojiOchiShujiMatsumotoTadaakiIshibashiToshinobuSenoHirofumiMiyake10.18926/19825膵炎の分類は膵臓研究の進歩とともに変遷を重ねたが,ここ20年間はマルセイユ分類(1963年)が国際的に広く用いられてきた。しかし最近,膵検査法の進歩と膵研究の知見の蓄積を背景にして,ケンブリッジ(1983年),マルセイユ(1984年),およびローマ(1988年)において分類の改訂を目的に国際シンポジウムが開催され,それぞれに新しい膵炎の分類が提案された。各分類には多くの共通点が見られるが重要な相違点もある。各分類を十分に理解していないとしばらくは混乱に陥ることが危惧される。幸い筆者の1人はこれらのシンポジウムに招待され参加する機会を得たので,成文の背景にある討議を詳しく紹介し,各分類を比較しながらその特徴を述べた。それとともに将来理想的な分類を完成するために今後検討すべき課題をも指摘した。そして,これら分類の当面の利用法に関する筆者らの提案を述べた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-3771601989細胞間マトリックスの構成成分と線維化7682ENToshinobuSenoHideoHaradaKojiOchiJuntaroTanakaShujiMatsumotoTadaakiIshibashiMasahikoTakedaHirofumiMiyake10.18926/19821慢性膵炎の症例は近年増加の一途をたどっており,その発症機序と病態の解明および対策の確立が急がれている。慢性膵炎の重要な所見の一つである膵間質線維化の発生機序の解明および早期発見法の確立は重要な課題であるが,従来の知見は断片的にすぎない。そこで,筆者らは膵線維化の系統的な研究を始めるにあたって,細胞間マトリックスの構成成分と線維化に関する従来の知見および今後の課題を整理した。細胞間マトリックスのうちでも特にコラーゲン,グリコサミノグリカン,フィブロネクチンをとりあげ,その構造と機能および組織の線維化形成における役割について文献的考察を行った。今後,膵組織および膵液中のプロリンハイドロキシラーゼ,コラーゲンとその型別分布および各型コラーゲンの比,ヘキソサミン,デルマタン硫酸,フィブロネクチン,ラミニンを検討することが重要と思われた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989ラドン泉ホルミシス7275ENYoshiakiKomotoTeruoTokunohMitsuhiroSodaShunichiHiraiShinhachiMorisueIchioSuzukaMitsuruSunakawaHidenoriYorozu10.18926/19817ラドン泉浴の保温作用は,薬効的には高濃度(13,764−23,743Bq/ℓ)ラドンの吸入による組織循環の改善による。ラドンによる脈管作動的機序はなお明らかにし得ていないが,末梢循環改着作用に基づく保温効果は疲労回復,及び退行性変性の慢性疼痛緩解に適応を有する。生物に対する放射能は,すべて有害とする認識が一般的であるが,自然放射能を含めてその刺激作用によりbio-positiveの恩恵を受けている。ラドン泉浴によるbio-negativeの報告も見られる中で,ホメオスターシスの維持に必要なbio-positiveなhormetic effectsとしての刺激作用の解明が望まれる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989非寄生虫性肝嚢胞に対する経皮的エタノール注入療法 ―有効3症例の検討―6771ENShinhachiMorisueIchioSuzukaShunichiHiraiMitshiroSodaTeruoTokunoYoshiakiKomotoMitsuruSunakawaHidenoriYorozuShokichiKomatsubaraShigeruTeramoto10.18926/19813非寄生虫性肝嚢胞の3例に,超音波ガイド下にドレナージ及び純エタノール注入を行い,全例に嚢胞の著明な縮小効果を認めた。本法は手技も容易で,副作用も軽微であり,エタノール注入と嚢胞縮小効果の間には1カ月以上の時間的な経過を要するが,肝嚢胞に対して,外科的療法に代わる有用な治療法であると思われる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989重症難治性喘息における副腎皮質ホルモン投与の影響6166ENHiroyukiArakiHikaruKitaniMichiyasuSudoYoshiroTanizakiSinyaTadaKiyoshiTakahashiIkuroKimura10.18926/19808重症難治性喘息におけるステロイド剤の副腎皮質機能,免疫能に及ぼす影響を調べるため,喘息患者65例を過去3年間のステロイド剤使用状況により,T群:依存性症例,U群:時に使用する症例,V群:非使用例の3群に分け,血清コルチゾール値,末梢血リンパ球数及び血清免疫グロブリンについて検討した。結果は,血清コルチゾール値:T群4.0μg/dℓ,V群11.6μg/dℓ,末梢血リンパ球数:T群1,659/mm(3)V群2,150/mm(3),I
gG:T群1,062mg/dℓ,V群1.501mg/dℓ,IgA:T群218mg/dℓ,V群279mg/dℓ,IgM:T群148mg/dℓ,V群227mg/dℓとT群はV群に比べ有意に低い平均値を示しステロイド剤の副腎皮質機能,免疫能への抑制作用が窺われた。また末梢血リンパ球数の減少は,高齢者のステロイド依存性例に顕著であった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989ユスリカ喘息に関する臨床的検討 ―HD陽性例および陰性例の比較検討―5460ENHikaruKitaniHiroyukiArakiMichiyasuSudoYoshiroTanizakiSinyaTadaKiyoshiTakahashiIkuroKimuraHiroyukiMatsuokaAkiraIshii10.18926/19805近年ユスリカが気管支喘息の原因抗原となり得ることが報告されている。しかし,その臨床的特徴はいまだ明らかにされていない。このユスリカ抗原の特徴を検討する目的で,気管支喘息症例163例をHD(ハウスダスト)に感作されたRAST score2+以上の陽性例82例とscore1+以下の陰性例81例とに分けて比較検討を行なった。その結果皮膚反応,ヒスタミン遊離,CTT抗原を用いた特異的IgE抗体いずれの検討においても,HDに感作された症例が,よりユスリカ抗原にも感作されやすいことが明らかになった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989非アトピー型喘息におけるIgE系反応4753ENYoshiroTanizakiMichiyasuSudoHikaruKitaniHiroyukiAraki10.18926/19802気管支喘息の発症にIgE抗体がどの程度関与しているのかを中心に若干の検討を加えた。1.若年発症型喘息(発症;20才以下,現年齢;30才以下)では,非難治例15例の血清IgE値は947±656IU/mℓで,HDのRASTが陽性を示した症例は12例(80%),難治例12例では血清IgE値214±102IU/mℓで,HDのRAST陽性は6例(50.0%)であった。2.一方,中高年発症型喘息(発症;40才以後)では,非難治例15例の血清IgE値は388±324IU/mℓで,HDのRAST陽性は6例(40%)であったが,難治例15例ではIgE値253±82IU/mℓで,HDのRASTは全例陰性であった。これらの結果から,いずれの群においても,IgE系反応が弱い場合に喘息が重症化しやすいことが示された。3.アトピー型,健康人,非アトピー型におけるI1gE系反応(皮内反応,血剤IgE,特異的IgE,ヒスタミン遊離)の陽性率や強度は,それぞれ異なっていたが,非アトピー型においてもIgE系反応が低下ないし抑制された状態で関与している可能性が示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-3771601989大腸癌早期診断による注腸・内視鏡同日併用法 ―診断能および検査前日食の検討―3946ENKojiOchiTadaakiIshibashiShujiMatsumotoToshinobuSenoJuntaroTanakaHideoHaradaTsuneoAkiyamaMutsurouNakaiKanaeHayashimoto10.18926/19797注腸・内視鏡同日併用法の大腸早期癌診断における有用性の検討,その診断能向上のための検査前日食改善を目的に,同法を施行した94例の診断能,従来のBrown変法に準じた献立食とレトルト食(サンケンクリン)とのX線画像の質,内視鏡時の残渣の程度,被検者への味のアンケートを分析した。発見大腸腫瘍は癌5例(早期癌2例,進行癌3例),ポリープ26例32病変である。早期癌はともにポリープの形態をとり,注腸,内視鏡とも病変を指摘できた。病変の好発部位である直腸・S状結腸で注腸・内視鏡によるダブルチェックができる。前日食の検討ではレトルト食が従来の献立食と比し,注腸・内視鏡ともに優れた腸内洗浄能を有し,味のアンケートからも劣ることはなかった。大腸癌早期発見の2次スクリーニングとして,レトルト食を前日食とする同法の有用性が示された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989岡山大学医学部附属病院三朝分院における妊婦水泳 第二報 妊婦水泳の適応とその実際3538ENHiroyukiOkudaYujiKondouJunkoSakataSachieYosidaYosiroTanizaki10.18926/19793第一報において,当科外来通院妊婦を対象とした妊婦水泳に関するアンケート調査の結果を報告1)したが,その結果にもとづき,1988年2月より妊婦水泳を開始し,11カ月を経過した。この間,初産婦および前回難産経験をもつ経産婦を主たる対象として,積極的に水泳を奨めた結果,18例の妊婦水泳を経験することができた。その結果,流早産例は1例もなく,児の予後も良好であり,妊婦管理の一環としての妊婦水泳の安全性と有用性が確認できたので,当科における妊婦水泳の現状とその適応につき報告する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989難治な静脈性潰瘍に対する酸素療法 ―補助療法としての意義―3134ENYoshiakiKomotoTeruoTokunouMitsuhiroSodaShunichiHiraiShinnhachiMorisueIchioSuzukaMitsuruSunakawaHidenoriYorozu10.18926/19790長期にわたり反復する静脈性潰瘍は,静脈圧亢進により拡張した毛細管の増加とその周辺に滲出したフィブリンの沈着により,血液からの酸素,及び栄養物の供給が妨げられている。医用質量分析装置による皮下組織ガス分圧の評価で経鼻的に100 % の酸素吸入により潰瘍周辺への酸素供給が認められたので,重篤臨床例に対して静脈圧減圧処置に加えて酸素吸入を併用したところ,潰瘍の治癒傾向は著しく速くなり,補助療法としての意義を認めた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989気管支喘息の温泉療法 ―93例の臨床的検討―2530ENMichiyasuSudoHiroyukiArakiHikaruKitaniYoshiroTanizaki10.18926/197851982年1月から1988年12月までの7年間に三朝分院内科に入院し,温泉療法を受けた気管支喘息93例を対象に,その背景因子,免疫アレルギー学的要素および温泉療法の臨床効果について総合的に検討した。1.年齢の平均は52.6才,発症年齢の平均は41.7才であり,両者ともやや高齢であった。2.血清IgE値の平均は506.2IU/mℓであった。300IU/mℓ以下の症例は59例(63.4%)であり,半数以上の症例が血清IgE値正常ないし低値を示した。3.皮内反応ではカンジダに陽性を示す症例が44例と最も多く,次にハウスダスト(以下HDと略す)26例,スギ13例,キヌ8例であった。4.換気機能検査では気管支攣縮型において換気機能の低下傾向が最も少なく,細気管支閉塞型で換気機能の低下傾向が特に% MMF,% V(50),% V(25)のような細気管支の閉塞を示すパラメーターの低下傾向がより高度であった。5.対象症例の臨床病型は気管支攣縮型が47例でほぼ対象症例の半数を占め次いで気管支攣縮+過分泌型29例,細気管支閉塞型17例の順であった。6.温泉療法の全般的有効率は79.6%であった。臨床病型別では細気管支閉塞型17例中16例(94.1%)が有効例であり,細気管支閉塞型で最も有効例がみられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989気管支喘息の温泉療法 ―ヨードゾル吸入療法の臨床効果―1924ENYoshiroTanizakiMichiyasuSudoHikaruKitaniHiroyukiAraki10.18926/19779気管支喘息20例を対象に,ヨードゾル吸入療法を行ない,その臨床効果について検討を加えた。1.ヨードゾル2週間吸入後の臨床効果判定では,著効4例(20%),有効11例(75%),やや有効4例(20%),無効1例(5%)であり,有効以上の明らかな有効例は20例中15例(75%)であった。また臨床病型別の効果の検討では,明らかな有効例は,Ta.気管支攣縮型では9例中6例(66.7%),Tb.気管支攣縮+過分泌型では9例中7例(77.8%)であった。一方,U.細気管支閉塞型では2例いずれも有効であった。2.ヨードゾル1回吸入後の換気機能の改善率は,FVC8.5%,FEV(1.0)11.0%,PEFR9.7%,MMF12.2%, V(50)14.4%, V(25)14.8%であり,閉塞性換気障害を示すパラメーターの改善率がやや高く,なかでも小さい気道の換気障害と関連の深いMMFやV(25)の改善率が高い傾向がみられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989気管支喘息の温泉療法 ―温泉療法の副腎皮質機能に及ぼす影響―1418ENYoshiroTanizakiMichiyasuSudoHikaruKitaniHiroyukiAraki10.18926/19777気管支喘息30症例を対象に,血中コーチゾール値を観察することにより,温泉療法の副腎皮質機能に及ぼす影響について検討を加えた。1.対象30症例の平均血中コーチゾール値は,5.64±4.95γ/dℓであった。このうち,ステロイド依存性喘息15例では,2.25±2.51γ/dℓ,ステロイド非使用の喘息15例では,9.02±4.47γ/dℓであり,ステロイド依存性喘息症例で有
意の低下傾向が見られた(P<0.001)。2.1−3カ月間の温泉療法前後での比較では,療法前の平均血中コーチゾール値は5.26±4.98γ/dℓ,後では9.51±5.26γ/dℓであり,温泉療法により有意の上昇がみられた(P<0.05)。3.1回の温泉浴前後の血中コーチゾール値の変動では,変動のみられない群と上昇傾向を示す群の2つの症例群が観察された。このうち,変動のみられない症例群は,もともと血中コーチゾール値が正常であるか,あるいは副腎皮質機能が疲弊してしまっているかのいずれかであった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama09133771601989慢性呼吸器疾患の温泉療法 ―1988年度入院症例を対象に―613ENYoshiroTanizakiMichiyasuSudoHikaruKitaniHiroyukiAraki10.18926/197761988年1月より12月までの1年間に当院へ入院した慢性呼吸器疾患患者62例を対象に,背景因子,臨床的特徴および温泉療法の臨床効果について検討を加えた。1.対象62例のうちわけは,気管支喘息49例,瀰漫性汎細気管支炎4例,肺気腫4例,アレルギー性肉芽腫性血管炎3例,肺結核,気管支拡張症各1例であった。2.これら62症例のうち,温泉療法を受けた症例は41例(66.1%)であった。3.温泉療法を受けた症例の地域分布では,鳥取県からの入院症例32例では14例(43.8%)であり,同様に岡山県からの入院症例17例では15例(88.2%),その他の県からの入院症例13例では12例(92.3%)であった。4.温泉療法の臨床効果は,気管支喘息では33例中著効12例,有効15例,やや有効5例,無効1例で,明らかな有効例は27例(81.9%)であった。また温泉療法は瀰漫性汎細気管支炎,アレルギー性肉芽腫性血管炎などに対しても有効であった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学医学部附属環境病態研究施設, 岡山大学医学部附属病院三朝分院Acta Medica Okayama0913-3771601989胃粘膜血流に及ぼす温泉水の効果 −長期連日飲泉の効果−15ENJuntaroTanakaToshinobuSenouShujiMatumotoTadaakiIshibashiKojiOchiHideoHarada10.18926/19775内視鏡(オリンパス製XQ−10胃ファイバースコープ)と臓器反射スペクトル法を応用して,2週間連日の飲泉が胃粘膜血流におよぼす効果を検討した。健常者3名および胃疾患患者9名(治癒期にある胃潰瘍の患者6名と慢性胃炎の患者3名)を対象とした。当院飲泉場の温泉水による2週間連日の飲泉を行ない,2週間の飲泉の前後において,胃の3箇所(胃幽門部小弯,前庭部小弯,胃角部小弯)で胃粘膜血流を測定した。その結果,胃前庭部小弯では胃粘膜血流の有意の増加を認めた。しかし胃全体としては有意差を検出出来なかった。個々の症例について検討すると、飲泉後で胃の3箇所すべてにおいて血流が増加したケースが頻度多く認められ,飲泉の有効性が示唆された。従来から認められてきた慢性胃腸疾患に対する飲泉の効果には,胃粘膜血流の改善による要因も加わっている可能性が考えられる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.