JaLCDOI 10.18926/bgeou/9120
フルテキストURL 060_0413_0427.pdf
著者 稲田 利徳|
抄録 「徒然草」の著者に自撰家集のあることは広く知られているが、「徒然草」に比較してはるかに研究者の関心が低くて、関連論文も微々たるものである。しかし、「兼好自撰家集」を「徒然草」の世界を念頭において読むと、兼好の苦悩や本音が吐露されていて実に興味深い。その味は、同じ和歌四天王の頓阿や慶運の和歌とは違い、詞書を含めて読むと、しみじみと彼の人生性に触れることができるところにある。その点、「兼好自撰家集」は「徒然草」理解の補助的な資料にとどまるものでなく、一人の人間の心情の軌跡を示すものとしての位置を与えられてよい。ところで、いざ秀歌を選ぶとなると、特別にこれこそはと目を引くものは少ない。そこで、ここでは詞書を含めて味わい深いものを選んで評釈を行ってみたい。
出版物タイトル 岡山大学教育学部研究集録
発行日 1982
60巻
1号
開始ページ 13
終了ページ 27
ISSN 0471-4008
言語 日本語
論文のバージョン publisher
NAID 120002311120