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ID 766
Eprint ID
766
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タイトル(別表記)
Studies on the Actual Condition and Future Development of Agricultural Water Use in Taiwan, Republic of China
著者
蔡 明華 中華民国行政院農業委員会
長堀 金造 岡山大学
天谷 孝夫 岡山大学
抄録
1)台湾は湿潤温暖な気候に恵まれて,農業の発展に適した自然環境にある.農作物は日本と同じく水田稲作が中心であり,従前の農業用水は水稲潅漑用のみであった.しかし,近年は畑作潅漑の推進及び養殖漁業と牧畜業が急速に成長したため,現在の農業用水はこれらすべてを包括する. 2)台湾は人口が多く,人口密度は世界第2位である.よって,食糧自給力の向上のために,政府と国民は農業生産基盤の整備を一層重視し,農業用水の開発及び運営施設の建設をはかり,潅漑の運営管理制度を制定し,農業の発展を積極的に推進して来た.1960年代から農業成長率は人口増加率を越えており,農業生産は安定した成長を示している.これまで,水田潅漑用水の管理実務経験が豊富に蓄積され,特に,限られた水を地域で活用するために考案された輪流潅漑方式には多くの経験が生かされ制度化された. 3)1960年代の後半から経済が急速に成長したのに伴い,国民の食生活は次第に動物性食料を多く摂るようになり,農業生産及び農業用水の構造が経年的に変化して来た.漁業用水,牧畜用水及び畑作潅漑用水は経年的に増加し,現在の農業総用水量は151.48億m3(1982年)で,その内水稲潅漑用水は76.82%,畑作潅漑用水は8.01%,養殖用水は14.70%,牧畜用水は0.47%を占める. 4)現在,台湾の農業用水は総用水量の82%を占めているが,将来の農業収益には大幅な増加が見込めず,新水源の開発コストを負担する能力が低くなるため,1983年から2000年までの農業発展計画においては農業用水量を現在の用水総量と同量で計画している.即ち,既有の農業用水総量の範囲内で,農業生産構造の調整及び節水措置に対応した用水量の調整配分を実施する必要がある.そして,畑作潅漑の用水増加量は,水稲潅漑用水量を減少・調整することにより十分賄えると予測される.なお,養殖用地下水の過剰揚水に伴う地盤沈下や,農業用水の水質汚濁等の防止は,今後解決すべき重要な課題である. 5)今後の農業発展の動向に対応させるために,農業用水は適時・適量・良質を確保することが必要である.さらに,用水の需給バランス系統に適合した総合的並びに協調的な貯水,調配施設の増設,既存水利施設の整備,農漁業用水の節水措置及び水質・水量の管理制度の強化等に関する技術と行政対策を研究しなければならない。
発行日
1989
出版物タイトル
岡山大学農学部学術報告
出版物タイトル(別表記)
Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
73巻
1号
出版者
岡山大学農学部
出版者(別表記)
Faculty of Agriculture, Okayama University
開始ページ
45
終了ページ
57
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029
資料タイプ
紀要論文
言語
Japanese
論文のバージョン
publisher
査読
無し
Eprints Journal Name
srfa